2017年7月28日金曜日

WW&RWと「一人ひとりをいかす教え方」




今回は、「PLC便り」7月23日号の最初の部分にまとめた、「一人ひとりをいかす教え方」ではないものと、そうであるもののリストを眺めながら、どれはWWRWが満たしているのかを考えてみたいと思います。

私が引っ掛かったのは、
1.「ではないもの」の方では、一番上の「個別指導ではありません。生徒たちを個別化して教えることではありません」でした。

ひたすら書く時間とひたすら読む時間は、各自が好きなものを書いたり、読んだりしています。そして、教師がしていることは、カンファランスですから、取りようによっては、個別指導/個別化して教えている、と言えなくもありません。
あなたは、どのように考えますか?

もう一つ引っ掛かったのは、
2.「そうであるもの」のリストの上から4番目(下から4番目でもあります!)の「何を(学習内容)、どう学ぶのか(学習方法)、そして学んだことをどのように証明するのか(=成果物)の3つで、生徒たちに選択肢が提供される教え方です」でした。

「何を」については、基本的には「書きたいものを書く」「読みたいものを読む」なのでOKです。(国語に限らず、教科書だけを使って教えていては、「何を」の選択肢を提供していることにはなりません!! 文科省や教育委員会の認識は、時代錯誤状態が続いたままです。)
他の2つ(「どう学ぶか」と「学んだことをどのように証明するか」)に関して、あなたは満足できますか?

あとは、引っ掛かったところはありません。すべて満たしています。完璧なほどに。(そうは思わないという方は、pro.workshop@gmail.com宛てに、ぜひご一報ください。)

それでは、1から見ていきましょう。
WWRWの一般的な1時間の流れは、①ミニ・レッスン→②ひたすら書く/読む(この間、教師はカンファランス)→③振り返り/共有の時間、と理解されています。これだけでも、全体指導(①と③)と個別指導(②)があることは分かります。
しかし、詳しく見てみると、そう単純でもありません。RWの場合は『読書家の時間』の58ページに示した図のように、ひたすら読む時間も、多様な方法がとられていることがわかります。
  
さらに、下の図2を見ていただくと、RWは(WWも、ほとんどこれと同じものがあります!)多様な教え方(子どもから見れば、学び方)をしていることを理解していただけると思います。
 
聞きなれないものは、「いっしょ読み」★だけではないでしょうか?
残りはすべて、『リーディング・ワークショップ』と『読書家の時間』で紹介されています。
どれも、極めて効果的な方法ばかりですから、ぜひ自分のものにして、教え方のレパートリーを広げてください。(これらのほとんどは、従来の国語として教えるときにも使えると思います!)
たとえば、最初の3つ(読み聞かせ、考え聞かせ、いっしょ読み)は、ミニ・レッスンの中で使います。残りは、ひたすら読む時間に行われますが、ガイド読み以外は授業以外の時間や家でも継続して行えます。

振り返り/共有の時間の持ち方も、クラス全体でのやり方から、小グループ、ペア、そして個人と多様にあり得ます。

さて、2の「どう学ぶか」と「学んだことをどのように証明するか」です。
「どう学ぶか」は、上の2つの図でかなりの部分は答えになっていると思います。
しかし、もう少し多様化しても(生徒の観点からすれば、選択肢が提供されても)よさそうな気はしますが、どうでしょうか? どんどん、生徒たちのニーズに応じて開発してください。WWRWの良さは、固定化していないことなのですから。(図2も、最初からこれらすべてがあったわけではありません。必要性や、それらを試してみた効果などによって、徐々に増えてきました!)

そのことは、特に「学んだことをどのように証明するか」の方に言えるかもしれません。
作家の時間の出版形態は、選択肢が少なすぎるとは思いませんか?
読書家の時間の自分が読めている証明の仕方は、どうですか?
この最後の点に関しては、ぜひ、あなたの疑問・悩みや考えをpro.workshop@gmail.com宛てに、お聞かせください。


★ 「いっしょ読み」および「読み聞かせ」や「考え聞かせ」については、近々、このブログや本の形で紹介したいと思っています。


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