「2年目の実践ですが、「とにかく書く」ということがどれだけ重要かを実感しています。楽しそうに書く子どもが増えました!その一方でミニレッスンが行き詰まって います。系統立ててミニレッスンを行うことが自分はとても苦手なんだなぁとつくづ く感じます。今はミニレッスンでとにかく読み聞かせをして、いろんな作家の作品に触れることを大事にしているのですが…」
→ 「今はミニレッスンでとにかく読み聞かせをして、いろんな作家の作品に触れる ことを大事にしているのですが」と書かれていたのですが、素晴らしいミニ・レッスンだと思いました。
なんといっても「読み書き」のつながりのあることがいいですね!
『ライティング・ワークショップ』(新評論、2007年)の7章に詳しく書かれていますが、いい作品に触れることは、書くことの大きな力になりますし、いろいろな作家の作品に触れることで、読むことは楽しい!と思えるとさらに素晴らしいと思います。
そのあとは、例えば、すでに読み聞かせをした作品を、「作家の目で読む」という ことをしてみてもいいかもしれませんし、いろいろな発展系がありそうです。
『ライティング・ワークショップ』101ページからの「ライティング・ワークショップのミニ・レッスンで本を使う」の、101-105ページでは、本から「作家の技」を学ぶだけでなくて、ジャンルや選択の幅が学べることもよく分かります。
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いろいろな作家から学ぶことは、山のようにあります。ですから、実はミニ・レッ スンを計画する難しさは、そこから何を教えるのかを「厳選すること」と「その順番をどうするか」ではな いかと思うことがあります。
私は、自分がWWを始めた頃は、以下のような感じで、順番もあまり考えずに単発のミニ・レッスンをたく さんしていました。
ある日に、複数の本から「書き出し」を教える。
次の日には、複数の本から「あるトピックを違ったジャンルで書けること」を教える。
つまらない題を書いている学習者が多いことに気づいたので、その翌日は「いい題 とは?」を教える。
教えたいことが多すぎて、あっちにいったり、こっちにいったりしていました。そうなると、系統だったミニ・レッスンは、なかなかできません。
今もいろいろと試行錯誤中です。 ただ、ここしばらく、一つのテーマで継続して いくつかのミニ・レッスンをすることもでてきました。
ミニ・レッスンが多少なりとも系統だって(というか、一つのテーマで連続して) できることが増えて
きたのには、2つのことが、助けになっているような気がします。
一つには、年間を通して達成してほしいことが、いくつか見えてきたので、それを 中心に、それを達成するための一連のミニ・レッスンを考え始めた、という部分があります。
例えば「作家ノート」。これは使えるようになってほしいし、いろいろな使い方があります。常にノートを携帯して、書きたいと思える題材をさがし、作家のように考え、メモを取り、アイディアを書きとめられるようになってほしいです。そのうち に、自分にとって役立つ作家ノートの使いかたもつくりあげていってほしいです。
そうすると作家ノートの使いかただけでも、いくつかのミニ・レッスンが浮びますし、1回では教えられません。
「読者を意識して読み直せ、修正ができる」 。これも、身につけてほしいことの 一つです。もちろん、これも一度のミニ・レッスンでは教えられません。
そしてしっかり修正したあとは、読者に優しい仕上げのためにも、校正もきでるようになってほしいです。
こういう大きめの達成目標がいくつか見つかると、どれも一回のミニ・レッスンでは達成できないので、それを元に一連のミニ・レッス ンを考えることもできます。
もちろん、年間を通して、一度しか教えないのでなくて、同じことを、しばらく後に、また違う角度で、あるいはより深く教えることもあります。
二つ目ですが、年間を通して達成したいことを考えるときに、書き手としての自分の経験がけっこう大きいです。
作家ノートにしても、自分が実際にどのように使っていて、自分の場合はどのよう に助けになっているのか、これが一つ入るだけでも、ミニ・レッスンが1回増えます。
修正しかり、校正しかりです。
もちろん、先生という「ひとりの書き手」の方法を、生徒に押し付ける必要はあり ませんが、折にふれて、先輩の書き手として、どのようにしているのかを、一つの選 択肢として、ミニ・レッスンで伝えていくことも大切な気がします。
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ミニ・レッスンの計画については、『ライティング・ワークショップ』 (143-144ページ) 「ミニ・レッス ンで何を教えてよいのか分からない」と11章の年間計画(日本に合うように、原著者の了解を得て、日本の小学校向けに日本の小学校の先生に書いています) なども、ぜひご参照ください。
自分もミニレッスンの厳選と順番にはまだまだ迷いがあります
返信削除一応子どもの具体的な姿をもとにミニレッスンを思い浮かべているのですが
よく行き当たりばったり思いつきのミニレッスンをやってしまうからです
きっと無理にミニレッスンをやらずに
読み聞かせをたくさんしてあげる方がいいのかもしれませんね
年間計画の中に
どの時期にどんなミニレッスンをやるかという計画も立てると
見通しをもってできるのかもしれません
しかし優先しなければならないのは子どもの姿であるので
計画の変更が会って当然というスタンスは保っていく必要があると思います
「読む力はこうしてつける」はミニレッスン集のように使うことができますが
「魂の文章術」もミニレッスン集のように使うことができる1冊です
なかなかおもしろいので参照してみてください