2010年10月1日金曜日

短いので、メンター・テキストとしても扱いやすい詩

 9月3日のブログで紹介したアトウエル氏は、A Poem a Day: A Guide to Naming the World (Heinemann, 2006) の中で、毎日の短時間の詩のレッスンの締めくくりのポイン トとして、子どもたちに「詩の読み手、書き手として、詩の新しい可能性を見 いだせ るようにすること」つまり、今日授業で読んだ詩のように「こういうこと もできるのでは」と気付 かせることを大切にしています(26-27ページより)。

 これを読んで、それほど長くない詩は、短いメンター・テキスト(9月17日のブログ参照)としても、とても有効な気がします。 絵本や小説よりも短いものであれば、子どもにとって把握もしやすいし、教師にとっても短時間で提示できるという のも魅力です。

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 さて、私の先週のWWの時間ですが、ひとりの生徒が下書きの段階で、ノートに音楽の魅力を断片的にいくつか書いていました。しかし、このままでは形になりませんし、本人も、どうまとめていいのか方向性が見えないというか、まだそこまで考えていないという感じでした。

 そのときに、ふと昨年の生徒の書いた詩をひとつ思い出しました。

 この昨年の生徒は、最初にこれから 書くことを簡潔にまとめた文を書き、そのあとにずっと具体例を並べて、最後に「だから大好き!」みたいな感じの文でまとめていました。

 その詩を見せたとたん、その生徒は急に自分の書くことの構成について、自分のイメージが生まれ始めたようでした。

 短い詩だと、短時間のカンファランスでもメンター・テキストとして使うことができ、しかも文の構成というかなり大きなトピックを扱える、と思えた瞬間でした。

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 短時間で使える詩のメンター・テキスト、これの可能性を感じられたのはいいのですが、やはり自分の中のメンター・テキストのストックの少なさ(特に詩!)に、がっかりです。

 詩を読むときに、しっかり味わったあとに、これをメンター・テキストに使う場合、ここから何を教えたい? (例えば、構成? 単語の使い方? 詩人の技? 等々)と問いかけてみて、付箋を貼ってみようかなとも思いました。

 絵本などを読むときは、「これは会話文を教えるのにいい」、「これは書き出しを教えるのにいい」、「これは物の立場から書くということを教えるのにいい」等、わりと考えることがありますが、詩については、あまりそういう目でみたことがありませんでした。

 書き手の目、つまり詩人の目で読むーーこれは未知の世界ですが、なんだか楽しそうです。

 今日の冒頭に書いた「詩でこんなこともできる」と気付けるかもしれません。

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