最近、図書館から借りて来た『大人も読みたいこどもの本200』(マガジンハウス2025年)は、「教室内閲覧」にして教室に1冊あるといいなと思いました。
まず、全てのページがとにかくカラフルです。レターサイズぐらいの大きめの本なので、持ち運びには重たいですが、ふんだんなカラー写真があるからこそ、その魅力がよくわかる本や情報をたくさん知ることができます。
例えば、以下のような本の紹介には、写真の強みがしっかり活かされています。(おそらく文章だけで説明されても、ほとんどイメージはできないと思います。)
・京都の職人技が可能にしたジオラマ本『360°Book 富士山」(144ページ)
・鏡の仕組みを利用して絵本に虹をかける『ふしぎなにじ』(120ページ)
・美容室アシスタントになって紙で髪を自在にという、工作絵本『ヘアーサロンチョッキン』(123ページ)
・田中達也が見立て、『くみたて』てゆく世界(30-33ページ)
・畳んでも広げても楽しいジャバラ絵本の傑作『魚がすいすい』(131ページ)
・アルファベットが次々に飛び出す、仕掛け絵本『ABC3Dポップアップ見本帖』(148ページ)
また、本に関わる<場所>の情報もあります。
例えば、名作『スイミー』の世界を体験できるという「アクアマリンふくしま」(16-19ページ)や、「絵と言葉の世界を体感」できるという「プレイミュージアム」(74-95ページ) 。
「プレイミュージアム」の中の「エルマーのぼうけん展」の詳しい説明を見ていると、フィクションとノンフィクションがいい形で交差しているように思いました。
つまり、エルマーの冒険に夢中な子どもにとっては、エルマーというフィクションをきっかけに、ミュージアムの「説明文」という、異なるジャンルの文を読めそうです。
「逆も然り」で、この本のカラフルな写真や説明に惹かれて「エルマーのぼうけん展」の記事を読んだ子どもは、エルマーのぼうけんシリーズを読んでみようと思うかもしれません。
加えて、こども図書館船<ほんのもり号>(35-37ページ)や<こども本の森>(38-41ページ)の写真や記事をみていると、本に関わる場所が、休暇中に訪れたい目的地になるかもしれません。
本に関わる場所だけでなく、作家やイラストレーターを含め、特定の本に関わる情報も豊富です。ムーミン/トーベ、『魔女の宅急便』/角野栄子、ショーン・タン/『アライバル』、『ハリー・ポッター』、ヨシタケシンスケ、藤子・F・不二雄、『長靴下のピッピ』、ミャエル・エンデ/『モモ』、『クマのプーさん』、『くまの子ウーフ』等々、パラパラみていると、子どもたちにも馴染みのある本や作家も多そうです。
作家や作品についての説明も、「説明文を先に読んでから、実際の本を読む」、「本を既に読んでいるので、その説明文を興味を持って読む」、そのどちらにも入り口が大きく開いている印象です。
また取り扱っている本の難易度の幅が広いので、「以前、読んだけど読み直してみたい」とか「ちょっと文字は多いけど、"これから読みたい本リスト"に入れておいて、いずれチャレンジしてみたい」等の反応も期待できそうです。
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(おまけ: 私の反応)
私は「子どもの本ベスト〇〇」系を読むのが大好きですが、私が持っているほとんどの本は、カラー印刷ではなく、文字だけで説明されています。小さめ、軽めの本が多く、持ち運びも楽で、そういう本に慣れ、文字情報中心の本の方が心地よい私には、『大人も読みたいこどもの本200』は、読み慣れないタイプの本でした。今回、私にとっては、ジオラマ本やジャバラ絵本を知っただけでなく、馴染みのない本の作り方に触れた時間でもありました。
例えば、『大人も読みたいこどもの本200』には、「贈る絵本を色で選ぶ」ということで、青、赤、黄色、黒のページ(96-99ページ)がありました。「色で絵本を選ぶ」感覚も、「色で絵本を仕分ける」感覚も、私には馴染みのない不思議な基準で、あまりしっくりきませんでした。この「しっくりこない」という感覚を体験できたのも、よかったように思います。
もちろん、文字情報もあるので、十分に楽しめました。ちなみに、青のページの中の一冊『お日さま お月さま お星さま』には、「カート・ヴォネガットの唯一の絵本作品」(96ページ)と説明があり、私はヴォネガットと絵本のギャップに興味津々です。黄色のページには、『アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし』(98ページ)が「ウォーホルがイラストレーター時代、顧客であった皮革製品会社のために描いたイラストから生まれた絵本」と紹介されていて、「こんな本もあるんだ、読んでみたい」と思いました。
文字情報が中心の本ガイドによく登場しそうな本も、表紙その他のカラー写真付きで登場しています。表紙の写真がカラーで掲載されていると、すぐに思い出せるので助かります。
比較的長く読み継がれている本も多めで、「『ちいさいおうち』 は、私が小さい時に読んだ本!出版年は1965年!」(170-173ページ)」とビックリしたりもします。
知っている作家や本が出てくると嬉しくて、『ぼくを探しに』が紹介されているところで(195ページ)、『続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い』があることを付け加えてくれるといいのに」とか、「レオ・レオニの絵本を7冊も紹介するなら(15, 17ページ)、『コーネリアス たってあるいたわにのはなし』も捨てがたいと思うけど」等、勝手な会話(というか、本に対しての一方的な話かけ)も楽しめました。
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