2016年6月3日金曜日

「素敵で大事な『作者の権利』10か条」

 前回5月27日のRWWW便りでは、「熟読の呪縛」★から逃れる一つの方法として、例えばペナック先生の「読者の権利10箇条」のような、呪縛を解くようなスローガン(?)を子どもたちに伝えることを紹介しました。

 読者(読み手)の権利があれば、作者(書き手)の権利があってもよさそうなものです、と思っ
ていたら、タイミングよく、数日前に「作者の権利10か条」が、ある人のブログで紹介されていました。イギリスのナショナル・ライティング・プロジェクトUKが2011年に作成したものだそうです。

 そのブログには「これは素敵&大事!『作者の権利』10か条」という題がついていますが、たしかに素敵な権利です。

 今回は、そのブログの作成者の了承を得て、そのブログから「作者の権利10か
条」を中心に紹介します。(詳しくはブログ http://askoma.info/2016/05/29/3086 をご覧ください。)

 まずはブログで紹介されていた作者(書き手)の権利10か条は以下です。

•  書いたものを見せない権利
•  書き直したり、消したりする権利
•  どこででも書ける権利
•  信頼できる読者を得る権利
•  書いている途中で迷って、どこに行くかわからなくなる権利
•  書いたものを捨てる権利
•  考える時間をとる権利
•  他の作者から借りてくる権利
•  実験をしたり、ルールを破ったりする権利
•  パソコンを使ったり、絵を描いたり、紙とペンで書いたりする権利

 皆さんはどの権利が印象に残りますか? 

 私は個人的には
「•  書いている途中で迷って、どこに行くかわからなくなる権利 」



「•  実験をしたり、ルールを破ったりする権利 」が好きです。

 何か作り出す過程は、私には試行錯誤なので、それを権利して保障されるのは嬉しいです。

(← そして、その過程を経て、何かを創り出せたときは、とても嬉しいです!)

 上で紹介したブログ作成者のページ http://askoma.info/2016/05/29/3086 に飛ぶと、この10か条についての、ブログ作成者のコメントも読めます。

 また、この10か条の権利はイラスト付きでポスターになっているらしく、上のブログでは、そのポスターの写真も見れます。

*****

 ブログ作成者は、大学院の研究室のドアでこのポスターを見かけたらしいのですが、「このポ
スターを研究室の扉に貼っている先生への興味もむくむくと」とも書かれています。

➡ 職員室や教室のちょっとしたスペースに何を貼るのか、それを見た人から、思いがけない、つながりが生まれることもあるかも、と「作者の権利10か条」のブログを読みつつ、そんなことも考えたりしました。

 こんなふうに、あることを書きながらふと思いついたことを書くことは、「あることを書きながら、
少し横道に逸れることを書く権利??」かもしれません。

➡ 子どもたちに、追加したい権利を聞いてみてもいいかもしれない、とも思いました。

 また、追加した権利について話し合うことで、「権利としては存在しても、いい文章を書くことにはつながらないかもしれないね」等のコメントが出るかもしれません。もしかすると、「いい文とは?」を考えるきっかけになるかもしれません。

 今日は、途中で横道に逸れつつも、「作者の権利」の紹介でした。

★ 「熟読の呪縛」については、5月20日のRWWW便りで紹介されている本『遅読家のための読書術』に登場しますので、詳しくは5月20日のRWWW便りをお読みください。

2 件のコメント:

  1. ポスターのオリジナルは、
    http://www.nwp.org.uk/uploads/5/7/5/2/57522719/poster_right_to_write2.pdf
    で見られます!

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  2. 紹介ありがとうございます。ポスターのオリジナルファイルへは、僕のブログからもリンクを貼るようにしますね。

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