2012年2月17日金曜日

テーマ別の引き出しをもつ~本と本とのつながり~

前回のRWWW便りは「詩が可能にしてくれること」でした。

 ちょうど、注文していた詩集が届いたものの、まだページを開けずにいたのですが、 前回のRWWW便りを読んだことがきっかけで、その詩集をカバンにいれて通勤途中に少しずつ読み始めました。

 その詩集★のテーマは死別で、亡くなったご主人について書かれています。この詩集を読んでいると「詩が可能にしてくれること」の広さと力を感じます。

 それと同時に、死別について書かれた他の詩、例えば、子ども向けの詩集の中に、友達がなくなるという詩があったことなどを思い出しました。★★

 また、詩だけではなく、愛する人がこの世からいなくなる、ということが出てくる絵本や子ども向けの本も、何冊も思い出しました。
邦訳が出ているものでは、絵本ですと、『悲しい本』、『わすれられないおくりもの』、『おじいちゃん』等々、子ども向けの本ですと、『メイおばちゃんの庭』、『ブラックベリーの味』、『テラビシアにかける橋』等々です。それぞれに切り口はずいぶんと違いますが、いずれも「読んでよかった」と思える本でした。★★★ 

*****

 ちょうど、ある作家の本を何冊か続けて読みたいときがあるように、あるテーマが出てくる本を何冊か続けて読んでみたくなる時もあるように思います。 「本と本とのつながりを見出したり、考えたりする」ことは、私たちも、普段の読書生活で、しばしば行っているのではないでしょうか。

 本を読みながら、他の本とのつながりを感じたり、その本から他の本を思い出したときは、読書ノートに印をつけたり、作家ノートにメモしたりしておくといいと思います。

 そんなことを続けていくうちに、自分の中に「テーマ別の引き出し」が増えてくると思います。

 私の作家ノートには、テーマ別の引き出しとして、 「死別」以外には、「教職につく人に読んでほしい(絵)本」、「一歩一歩頑張ろうと思える(絵)本」、「幸福 とは? 第一希望はかなわなかったけど。。。。。。という(絵)本」など、私が本と本の間につながりを見出して、かつ気になっているテーマがいくつかメモされています。

 ある本から他の本を思い出して、それについて考えることは、教師の読むことを豊かにしてくれます。それだけでなくて、それらを作家ノートにメモすることで、いつか書くことにも結びつくかもしれません。

 読書ノートと作家ノートを活用しつつ、自分の中で「テーマ別の引き出し」を増やしていくのは、いかがでしょうか。


出典:

★ 
Jane Yolen, Things to Say to a Dead Man: Poems at the End of a Marriage and After, Holy Cow! Press, 2011.

著者のジェイ
ン・ヨーレンは、多くの作品を書いています。上の詩集の邦訳はなさそうですが、『月夜のみみずく』 (くどうなおこ 訳  ジョン・ショーエンヘール 絵 偕成社 1989年)他、邦訳されている作品もいくつかあります。

★★ Kalli Dakos, If You're Not Here, Please Raise Your Hand: Poems about School (Aladdin, 1990) の中に、J.T. Never Will Be Ten という詩が26-29 ページに載っています。

★★★
 『悲しい本』 
マイケル・ローゼン 作  クェンティン・ブレイク 絵  谷川俊太郎 訳 あかね書房 2004年

『わすれられないおくりもの』 
スーザン・バーレイ さく・え 小川仁央 やく 評論社 1991年

『おじいちゃん』
ジョン・バーニンガム さく たにかわしゅんたろう やく ほるぷ出版 1985年

『メイおばちゃんの庭』
C.ライラント 作 斎藤倫子 訳  中村悦子 画 あかね書房 1993年

『ブラックベリーの味』 
ドリス・B.スミス 作  石井慶子 訳. ぬぷん児童図書出版 1989年

『テラビシアにかける橋』 
キャサリン・パターソン 作 岡本浜江 訳 偕成社, 1981年

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