2010年6月25日金曜日

書く前に、友達と話してみる

 こんばんは。

 Gary Robert Muschlaさんの書いたWriting Workshop: Survival Kit (Second Edition) (Jossey-Bass, 2006) という本があります。5年生から中学校、高校ぐらいを対象に書かれていて、題材探し、下書き、修正、校正、出版など、書くいろいろな段階を説明し、プラス、後半には100のミニ・レッスンが載っている本です。

 この中で、「書く前の段階」に行う「リハーサル」について書かれていたのですが(45ページ)、時にはこういう方法もいいかもと思いました。リハーサルというと、なんだか大げさですが、作品にとりかかる準備みたいなもので、この文脈では書く準備のための話し合い、という感じです。

 この人が紹介している方法は、例えばマッピングなり、ブレインストーミングなり、何らかの方法でつくられた題材リストから、書く題材を決めて、それをペアで相手に話す、という時間を取るというものです。

 聞いている方は、相手が書くことについて話してくれたことを、要約し、はっきりしないところは質問し、そして相手からの質問があればそれに答えたりもします。

 自分の言ったことを繰り返されることで、自分の伝えたい意図がはっきりしたり、フィードバックがもらえたりすることで、書く準備になる、そんな感じです。

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 Nonfiction Craft Lessons (Ralph Fletcher とJoAnn Portalupi, Stenhouse, 2001)の中でも、幼稚園から小学校2年ぐらいを対象にしたミニ・レッスンで、「書く前に話すこと」を、上とは全く違う方法でつかっています。

 幼稚園から小学校2年生ぐらいを対象としたレッスンで、ノンフィクションを書くことを教えるときに、写真を使い、それについて話すことをうまく使っています(22ページ)。

 ある事柄に関する写真を使い、それをみんなに見せて、その写真について何人かの子どもたちが「金魚鉢」で話すというものです。

 この話す過程で、子どもたちは質問したり、仮定をしたり、自分の知っていることと結びつけたり、賛成したり、反対したりしています。これが書くことに活かされていくのです。

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 英語では、いいミニ・レッスン集が本当にたくさん出版されています。特におすすめは Nancie Atwell さんのミニ・レッスン集、上に紹介したRalph Fletcher とJoAnn Portalupi さんたちの書いたミニ・レッスン集、ーーそしてこの二人は他にもいいミニ・レッスン集を出していますーーですが、これらはまた、後日に紹介したいと思います。(ちなみに、この二人は『ライティング・ワークショップ』新評論の著者でもあります。)

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