1月30日の「カンファランスの新たな可能性(その1)」に続く、(その2)です。
教え方として、teaching=講義形式、facilitation=ワークショップ型、そしてconference=カンファランス形式と、大きくは3つあると思います。
私も当然、講義形式から始まりました。それしか知りませんでしたから。体験したことがありませんでしたから。
私も当然、講義形式から始まりました。それしか知りませんでしたから。体験したことがありませんでしたから。
80年代の初頭にワークショップに出会って、90年代の半ばぐらいまでは、それに入れ込んでいました。
しかし、それでは自立した学び手は育てられないことがわかってしまって、いろいろ探し求めていた中で出会ったのが、リーディングとライティング・ワークショップ(RW&WW)でした。これらは、最初から自立した読み手と書き手(学び手)を育てるための教え方だったのです。★
それが、私がRW&WWに魅かれる一番の理由です。
そのカンファランスの核にあるのが、今回のテーマのフィードバックです。
(Let's Talk: Managing
One-on-One, Peer, and Small-Group Conferences,
by Mark Overmeyerの第1章。左側の数字は、本の中のページ数です。)
講義形式にも、ファシリテーション型(アクティビティ型、参加型)のワークショップにも弱い/ほとんど欠けているのが、このフィードバックです。それも、各人単位の。
12 マイナス思考で教師がいたら、それは生徒たちに伝染していく!
プラス思考も、伝染していく。教師には、選択がある。後者を選ぶ。
「昨夜みんなが書いたのを読んでいたら、とても楽しかったです」で始まる。
書くことも、書かれたものを読むことも、「とても元気になり、かつ楽しい」ことを知らせ続ける。モデルで示し続ける。
効果的なフィードバックの3段階は、
(1)どこに行くのか? ~目標
授業やユニットの目標が明確なら、それに焦点を合わせることができる。
生徒が意味を感じられるレベルでの目標であることが大切。たとえば、大きすぎても、小さすぎてもダメ(後者は、日本の国語でよく起こっていること?)
(2)どうやってそこに行くのか?
・目標に照らし合わせた
・アクションに移せる内容
・いいタイミング
16 1.一つか二つに絞る ~ 教師主導のアプローチ
2.情報収集 ~ 生徒に委ねるアプローチ
3.気がついたことは何でもアプローチ ~ 最悪の方法。
教師には常に選択がある。それに気づくことがまずは大切。よりいい選択をする努力。
・継続的★★
・書かれたフィードバック ~ 面と向かった対話だけがフィードバックではない。
子どもがstronger, more
enthusiastic, more effective writer(より上手で、夢中に取り組む書き手★★★)になるのに寄与していれば、価値はある。
(3)次はどこか? 次のステップは何か?
19 教育で大切なフィードバックをうまくなるにはどうしたらいいのか? 練習
自分のフィードバックの効果を知り、改善し続ける努力の大切さ
★ だからと言って、講義形式や、ファシリテーション型(アクティビティ型、参加型)のワークショップは、ダメということはありません。目的やタイミングを選びさえすれば、それぞれ効果的な方法です(単に、それらが「万能ではない」ということだと思います。)WWやRWの中ですら、これら2つはうまく使っています。ミニ・レッスンは講義形式で行われますし、共有の時間はファシリテーション型で行われます。
★★ 要するに、1回や2回のアドバイス/フィードバックで、人はなかなか変われない、ということだと思います。そのプロセスに伴奏できるのがカンファランス(=RW&WW)で、講義形式やファシリテーション型のワークショップではなかなか難しい、あるいは不可能だということです。
★★★ この中には、作家の技を使いこなすとか、そのために本やクラスメイトの作品をよく読むとか、いろいろジャンルに挑戦するとかが含まれると思います。
私も人材育成において、ワークショップ型(ファシリテーション型)が学習者の自立を実現するために万能でないことを経験上、感じています。
返信削除継続する個人単位のフィードバックがポイントになるのですね。
コメント、ありがとうございます。
削除はい、それは大人対象の研修では、すでに1980年代の前半にわかっていたことです。いまだに、日本の成人研修では、そのことが知られていませんが・・・・『効果10倍の教える技術』の157ページの表をご覧ください。
それにしても、すばらしいメール・アドレスですね。