2011年4月8日金曜日

年度始めの1~2週間

 新しい年度が始まりました。(被災地では、まだ始まれていないところが少なくありませんが。)
 すでにWWを中心に据えた国語の年間計画はできていますか?
 まだの方は、このブログで以前に紹介した年間計画のつくり方も参考にしながら、ぜひ今週末にトライしてみてください。コツは、40分以上は掛けないことです。(後で、修正していけばいいですから。)

 今回は、年度始めということで2つの点に絞って紹介したいと思います。
① 一つは、『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチャー他著)の本でも強調しているように、最初の1~2週間で大切な「安心して書ける・たくさん書きたくなる雰囲気づくり」です。
 「子どもたちが書く時間を好きになる第一歩は、定期的に書く授業が確保されて★、子どもたちが書きたい題材を自ら選んでそれに取り組み、そして教師が子どもたちの書いているものに対して、心から興味と関心をもって接することから始まります。」(38~39ページ)
 「安心のできる環境というのは、書くことにおいて子どもたちが安心してチャレンジができるような雰囲気のことです。」(40ページ)そのベースには、教師と生徒の関係だけでなく、生徒同士がお互いを尊重し、肯定的に接する関係が必要です。
 こうした関係や雰囲気をつくるのに効果的な方法をフレッチャーらは、いくつか紹介してくれています。(41~42ページ)
・ 具体的にほめる
・ 低学年の子どもたちには絵を描くという選択肢も提供する
・ 正直な気持ちを綴った作品(メンター・テキスト)の読み聞かせをする
・ 作家ノートを使う
・ 教師も子どもと一緒に書く

 WWは「作家になる体験を通して学ぶ」学び方です。「作家とは、たくさん文章を書く人のことを指します。このことを子どもたちに伝え、そして定期的に書く時間を提供すると、子どもたちはたくさんの作品を書きますから、そのことに驚かないでください。」(43ページ)そのためには、子どもたちが自立した書き手として必要なもの(用紙や辞典や付箋紙など)を自分で取れるようにしておく必要があります。このためには教室内に「作家コーナー」(30~31ページ)を設けるのが効果的です。

② もう1点、最初の1~2週間で大切なことは、子どもたちのことを知ることです。そのためには、WWサイトで紹介している書くことのアンケートや、同じページで紹介している読むことについてのアンケートやインタビューを書くことに変えて実施するといいでしょう。
 こうして集めた情報は、子どもたちがひたすら書いている時や、なかなか筆が進まない時のカンファランスに使えます。

なお後者の子どもたちのことをよく知るためのアンケートやインタビューは、書くことや読むことに限定されず、すべての教科で同じようにやれることです。(こう書いてみて、前者の「安心して学べる環境・雰囲気」についても同じことが言えると思いました。作家になる体験を通して学ぶアプローチは、「科学者」や「数学者」や「歴史家」等になる体験を通した学ぶアプローチに容易に置き換えられますから。また、そうしていかないとよく学べない状態が続いてしまうとも思います。)


★ 小学校中学年以下では、週に3時間以上。小学校高学年以上では、週に2時間以上が「定期的に書く時間を確保」することを意味します。それだけの時間を確保しないと、「作家になる」という実感がもてないからです。

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