あなたは、教室にいるできるだけ多くの生徒が興味をもって授業に取り組め、かつ扱っている内容を理解し、身につく形で学んでもらうことを心がけておられると思います。
それは、いったいどのようにして実現されるか考えたことがありますか?
単純に、教科書を順番通りにカバーしていくだけで実現されるでしょうか?
『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』の24ページの図(下に貼り付け)は、まさにそれを可能にするために考えられたものといえます。
あなたは、これらの項目のいくつぐらいを押さえながら教えていますか?
(全部を薄くというか、いい加減に押さえるよりも、少ない項目を確実に押さえながら教えた方を向上させたほうが、生徒たちはありがたがります。)
2段目には「一般的原則」として、5つの項目が挙げられていますが、実際に本の中では8つの原則が紹介されていますし、本が出版されてから9つ目が追加されていますから、常に進化し続けるものです。固定化されないのがいいですし、自分で足したり引いたりできるのもいいです(残りの項目を知りたい方は、本をチェックするか、それともpro.workshop@gmail.com にご連絡を!)。
3段目の4つの要素と、5段目の具体的な「さまざまな教え方」の紹介が、この本『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』の中心になっていますが、あなたは授業を考えるときに、これらのどれくらいを意識していますか?
4段目の生徒の違いを表す要素は、レディネス、興味関心、学習履歴の3つで表されていますが、あなたは他に何か思いつきますか? これだけで、すべてを表しているでしょうか? 思いつくのがあったら、ぜひpro.workshop@gmail.com 宛に教えてください。
一般的には、授業を考え、かつ実際にする際の(ということは、「授業を決定づける」ないし「教師の腕の見せ所」の)ポイントは、3段目の「内容」「方法」「成果物」「感情/環境」になると思います。つまり、2段目と4段目をしっかり理解・把握しながら、3段目(5段目は3段目の「方法」を膨らませたものと捉えられます!)の持ち駒を一つでも増やしていくことが、単に教科書をカバーして終わりの授業ではなく、教室にいる一人でも多くの生徒が興味をもって、しかも身につく形で取り組んでもらえる授業をする際の鍵といえるでしょう。
◆指導内容=学習内容=カリキュラム?
学習内容(=2段目の「質の良いカリキュラム」)は、教師がコントロールできる枠の外にあると捉えられがちですが、本当にそうでしょうか?
「各学校は、文部科学省が定める学習指導要領に基づいて、学習課程(=カリキュラム)を編成する義務があ」りますが、これは、残念ながらほとんど行われていません。学習課程を教科書にすり替えてしまっているのが実情です。どこにも、「教科書」とは書かれていないのに! 別なところに、教科書は「主たる教材」とは書いてありますが、どこにも「それを使え」とも「それしか使えない」とも書かれていません。
カリキュラムの考え方ないし捉え方は、いい学校のつくり方が書かれている『いい学校の選び方』のなかで紹介されている、次のような要素を踏まえてつくりだすものです。
これによって、教科書をカバーするのとはまったく違った、教師が中心でもない、生徒と教師が中心の授業がつくれます! このリストは、カリキュラムが生徒のことはもちろん、教師のことも知らない「雲の上の人」がつくれるものではないことも明らかにしてくれています。
◆指導方法=学習方法
ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)は、この内容の部分はもちろん、他の3つの「方法」「成果物」「感情・環境」も見事なぐらいにしっかり押さえて、教室にいるほとんどの生徒が興味をもって、しかも身につく形で取り組んでもらえる授業です。この方法に取り組んでみたい、ないしさらに磨きをかけたい方は、https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KXuWtBc4kl6jRr2KGwnqPAH1vSryYkM7qNXd0ArKpYU/edit?gid=1042705275#gid=1042705275 のなかから選んで読み進んでください。
また、ライティングとリーディング・ワークショップ以外の指導方法=学習方法を知りたい方は、まず『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』の第7章以降から読み進めることをお勧めします。なお、『一斉授業をハックする~学校と社会をつなぐ「学習センター」を教室のつくる』は、5段目の最初に書いてある「学習/興味関心センター」について詳しく紹介してある本です。また「契約」については、『「考える力」はこうしてつける』の第4章「交渉」と同じものです。
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