2018年2月9日金曜日

増補版『「考える力」はこうしてつける』


 以下は、増補版に付け足した一部です。
 13の質問で構成されていますが、本がないと答えられません! 初版も増補版もページ数は同じです。訳書ですから、訳者が内容を勝手には変えられません! また、対生徒に言えることは、教師を含めた組織の中での上下関係にも言えてしまいます。あらゆるところに「入れ子状態」が存在しています。
 質問がおもしろいと思えたら、ぜひ本に照らし合わせて考えてください。

●本書をさらに自分のものにするための質問リスト

「実践に向けて助けになる前提」にある6つの振り返りの項目(13ページ)のうち、すでに自分の授業(仕事)で押さえているのはどれですか? また、これまでに体験した教員研修(社員・職員研修も)では、どのくらい押さえられていましたか? (両者は、入れ子状態になっています!)
あなたは、子どもたち(や部下)を、「自立した学び手」や「学びの責任を担える生徒(ないし部下)」(13~14ページに6つの項目があがっています)として捉えていますか? そのために具体的にしていることは何ですか?
16ページに示されている二つの図について、疑問や質問はありますか? また、「こう変えたほうがいいのではないか」という提案はありますか? (疑問や提案は、pro.workshop@gmail.com宛にお送りください。必ず返信します。)
考える/学ぶ際に影響を与える要因が全部で10個紹介されていますが(15~17ページ)、これらのなかで、あなたが特に大きな要因と捉えているものはどれですか? また、これまであまり意識していなかったものはありますか?
⑤18ページの【表1-1】には納得しましたか? もし、納得できないという場合、それはどこですか? また、修正したいところはありますか?
「効果的に考えられる人」「効果的に学習できる人」「メタ認知能力のある人」について説明がされていますが(18~19ページ)、【図1-2】(16ページ)との関連で捉えるとどういうことになると思いますか?
【図1-1】、【図1-2】(16ページ)と並んで、20~21ページが本書の「エキス」と言えるかもしれません。あなたは、現時点でどれだけ実践できていますか?
「学齢期前の子どもたちも振り返れる」と書かれています(22ページ)。あなたは自分の生徒(部下)に、ここに挙げられている7つのうち、いくつ実践していますか?
あなたは、「学びの原則」(23ページの訳注)をこれまでに意識したことがありますか? これらはすべて受け入れられますか? 実践していますか? どれが難しいでしょうか?
「自立した学習者」「学びの責任のとれる学習者」を育てるために四つの重要な要素が紹介されていますが(33~37ページ)、あなたはこれらをどれくらい提供していますか?
「クラス内の専門家」(職場内の専門家や各人の得意、34ページ)は、どのくらい把握していて、活用していますか?
66~67ページに掲載されている時間割は、著者の一人であるレスリー・ウィン・ジャン先生が、1990年代の初頭に使っていたものです(対象は小学校6年生)。この時間割を見て、どんなことに気づきましたか? オーストラリアでも、1980年代初頭までは、日本がいまだに使っている時間割と似ていました。何が理由で、このような時間割に転換したと思いますか?
74~75ページには、第4章~第8章で紹介されている5つの方法の効用が紹介されていますが、あなたは、これらが学習をする際に大切なものだと考えていますか? このなかで、子どもたちがすでに身につけていたり、あるいは身につけられたりするような手立てがすでに講じられているものはどれですか? また、今後大切にしたいと思うのはどれですか?

 以上、あなたがすでに意識していたことやまだ意識していなかったこと、すでにアクションを起こしていることや起こせていないことの確認の手助けになったでしょうか? 単に質問に答えて、それで終わりでは、16ページの図(特に、下の図)を実践していることにはなりません。上記の質問の中で、特に1~3つ今後3~6か月間に大切にしたいものは何ですか(自分のニーズを明確にする)? それを実現するために、具体的にどんなことに取り組みますか(計画を立てる)? そして、3~6か月間、その計画を実施した後に再度、振り返り、自己評価をして、再び目標設定をしてください。このサイクルを回し続ける以外に、成長し続ける方法はありません。極めてシンプルです。
なお、サイクルを回し続ける際に、一人だけではいいアイディアが出なかったり、忙しさにかまけてサイクルを回すことを忘れたりしてしまいます。一緒にサイクルを回せる仲間が一人でも、二人でもいると、互いに刺激し合えて、いいサイクルを回せる可能性が高くなります。ぜひ、仲間を誘い込んでください!

以上です。

 すでに、初版をお持ちの方で、残りの「訳者解説」も読みたい方は、pro.workshop@gmail.comに連絡ください。
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