2013年5月8日水曜日

読書ノート 9  

第4章 作家のように読む
60 多くの人にとって、読むことと書くことのつながりは見えていない。読むことと学ぶこと/考えることのつながりも見ていないんじゃない!! 私も、長いこと見えてませんでした。 多くの作家たちは、書くためには読まないとダメ!と言っている。子どもたちにはもちろん、親たちにも2つのつながりをわかりやすく説明することは、とても大切なこと
61 ピアジェの具体的なものから抽象的なものへは、算数ではわかりやすい。物を使った計算から、式を使った計算へ。
 読みから書きへの移行も、具体的に書かれた作品から、自分が白紙から作り出す作品への移行(具体的なものから抽象的なものへの移行)で説明がつく。とてもわかりやすい!
 たくさん読めば読むほど、自分の中に書くときのための駒が蓄積されていく。← 将棋の棋士がしているようなもの。過去の取り口を読み直すことで、自分がとるときの参考にしていく
 ヴィゴッツキーの理論もサポートしてくれている。責任の移行★も。一歩先のモデルを示されることで、それが自分だけでできるようになっていく。
 自分にあった選書ができるようになることは、書くことの練習(題材探し)の練習になっている。
62 これらのことをうまくまとめてくれているのがBrain Cambourneの自然学習モデルの8つのステップ★★
63 いい文章に浸ることで、書くときの準備がはじまっている。
絵本の『ヘンリー・ブラウンの誕生日』を使った事例の紹介
 息を呑みながら読んだところあった?
 書き手の立場に立って読んでみる
64 それを示す具体的な子どもたちとのやりとり
65 Ralph Fretcherがいう「slowing down the hot spot
  絵本で使われていた「作家の技」を教師が書いた文章で示す ← そうだよ、この作家の技をたくさん身につけるのが、読むことと書くことのつながり。でも、ただ読んでいるだけじゃ、「作家の技」を見出せない子はたくさんいるから、それを立ち止まってしっかり教える必要がある。それが、WWでするのか、RWでするのかはどちらでもいい。
  その上で、子どもたちにも使ってみることを奨励する
66 子どもたちが新しい「作家の技」を試してみたら、ほめる。
  浸らせる、モデルを見せる、試す、ほめるのサイクルをどんどん回し続ける。

 Katie Wood RayFrank Smithが、作家のように読むことを奨励している。
 でも、それを9歳児にどうやって教えるのか?
 ミニ・レッスンのあとに、自分が書いた文章を読み直してみて、今日教わったことが使えそうなところを探してみることをしてもらう。なかったら、教師がモデルを見せたように自分で書いてみる。
 「作家のように読む」ことは、本物の作家や教師や友だちの文をその視点で読むだけでなく、自分が書いたものも含まれる。
 「作家のように読む」ことは、ただ読むのとは違う。ブッククラブのために読むのとも違う。好きな本を読み直すのとも違う。書き手の視点で読むこと。 ← そのためには、時間/機会をつくる必要がある。私でさえまだできていませんから。

 これを練習するには、リテラチャー・サークルがいい。中でも、「表現係」が。
 リテラチャー・サークル(特に、表現係=「作家の技」発見係)の価値は、これにあると言っても過言ではない。
68 これができるようになることで、よりよい書き手になっていく。
息を呑んだ箇所、笑った箇所、泣いた箇所、唸った箇所などが、「作家の技」が使われているところ
 それをやるのに読書ノートを使おうが、作家ノートを使おうが、それは問題じゃない。
2つを一つにして使っている先生もいる。
 たくさんのメンター・テキストをもっていると便利。それぞれの「作家の技」を教えるために。
69 『クレージー・マギーの伝説』は、効果的な読みの方法★★★と作家の技を同時に学ぶには、おすすめの本。
70 『クレージー・マギーの伝説』の131~2ページを使った実例の紹介。
 これをする時は、3回読んでいる。まずは、教師が読み聞かせをするだけ。2回目は、教師が読みながら、子どもたちは印をつける。3回目は、各自が考えたことを書き出す。
71 くりかえし読まないと、書き手としての立場に立てない。(最初のうちは、内容を理解しようとして「読み手」でしかあり得ないから。最初に見た文章を「書き手」として読むことは不可能!!) くりかえし読むうちに、内容以外のものが見えるようになる。
 だからこそ、メンター・テキストが大切。内容はすでに知っているもの、という前提。
 自分自身、同じメンター・テキストを繰り返し使うたびに、新しく見えてくるものがある。
 書き終わったら、ボランティアにOHPで説明してもらう。子どもたちは、説明するのも好きだし、他の子のを聞くのも好き。なかなかできない子たちにとっては、教師以外のクラスメートからサポートを得られる貴重な時間。もちろん、参考にするのは大歓迎。


★ 『「読む力」はこうしてつける』の66~8ページを参照。
★★ 同、65~6ページを参照。
★★★ 『「読む力」はこうしてつける』は、これを紹介するために書かれた本です。

0 件のコメント:

コメントを投稿