2022年9月23日金曜日

「働き方改革」を超えて、「生き方改革」へ

 訳者の飯村寧史(公立中学校の国語の先生)が昨日発売された『教師の生き方、今こそチェック! あなたが変われば学校が変わる』(アンバー・ハーパー著、新評論)を読者にすすめる文章を書いてくれたので紹介します。

 このページをご覧になっている方は、教師もしくは学校に関わりのある人だと思います。「教師の生き方」と聞いて何を思いますか? また、特に教師の方は、ご自身の生き方をどのように見ていますか?

 本書の原題は”Hacking Teacher Burnout”、すなわち「教師のバーンアウトをハックする」です。バーンアウトといえば日本では「燃え尽き症候群」という言葉に置き換えられます。しかし、バーンアウトの意味するところは幅広く、頑張ってもうまくいかない人も、ワーク・ライフ・バランスがおかしくなっている人も、そして、教師や学校にマンネリを感じてしまっている人も含みます。アメリカでも、多くの教師がこうした症状に陥っているのです。本書はそうした人に向けて、自分の仕事や時間をコントロールし、かつ自分の成長を目指すためのハック(巧妙につくり替えること)を紹介する内容となっています。

 日本に目を移してみましょう。「定額働かせ放題」「ブラック部活動」など、教師の長時間労働が大きな社会問題となり、また、それと連動するように教師の成り手不足が話題となっています。「働き方改革」が叫ばれていますが、仕事そのものはなかなか減りません。

もちろん、退勤時間を早くしようという傾向は確かに強まっています。早めに仕事を切り上げる教師も増えてきました。家庭でゆっくりすることや、趣味を生かすこともできるようになってきたのではないでしょうか。ぜひ本書を読んで、余裕のある時間をただ休み、楽しむだけでなく、仕事や人生のさらなる充実のために使う方法を探ってみてもらいたいと思います。 

一方で、多くの教師は、自分の現在の仕事に必ずしも満足できず、自分の理想とする教師像に近づくために、まだまだ長時間、多くの仕事を抱えながら頑張っていると思います。本書は、そうした人にこそ、ワーク・ライフ・バランスを保ちつつ、自分の成長・向上を楽しみながら、教師として歩む方法を伝え、応援してくれるのがこの本です。

 本書では、今の自分の状態を把握することから始まり、自分自身のブランド(他者が自分をどのように見て、評価しているかということ)を見つめるワークへと進んでいきます。自分のことをよく知ることから始めるので、自分に嘘をつくことも、自分に無理をさせることもありません。必要なのは、ちょっとしたノートと時間だけ。できれば悩みを聞いてくれる人(直接会う人でも、ネット上でも)がいれば、なお良いでしょう。

 そして、次はいま目の前にある困難に向き合います。その克服のために、自分の習慣や強みを見直し、生かしていくのです。直したい悪い習慣に心当たりはありませんか? それを直せばきっと生き方が変わってきます。その手助けが本書から得られます。また、誰にでも強みはあります。たとえ自分で気づいていなくとも。自分のブランドに基づき、強みを生かして仕事をする、まさにそれが理想です。

 さらには、成長し続けるために、自分の可能性を見つけ、それを長期にわたって伸ばす方法、意識的に行動する方法も紹介されます。教師として、まだまだ伸ばせる分野がきっとあるはずです。それを見出せれば、ますます自分が好きになり、結果的に、周りの家族、子どもたち、同僚などが恩恵を得ることにもなるでしょう。

 いかがでしょうか。教師としての自分の生き方に、悩みや疑問がある人はもちろん、さらに自分を伸ばしたいと思っている人にもぜひ手に取っていただきたい本です。考え方も、具体的な手立ても盛り込まれた、実践の書と言えます。「働き方改革」を超えて、「生き方改革」へ。ぜひ本書をお読みください。

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この本の翻訳の過程では、普通は起こらないことが起こりました。飯村さんの奥さんがイラストレーターとして参加し、各章のエキスを描いてくれています。たとえば、

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