2018年6月2日土曜日

ブックガイドは何度も美味しい

 RWやWWの教室の描写で出てくる本に目を通すなかで、絵本、子ども向けの本、ヤングアダルト向けの本が大好きになりました。いつも何か読んでいます。最近の読んだなかでは、マーク―ス・ズーサックの 『本泥棒』と、ニール・ゲイマンの『ネバーウェア』が印象に残っています。どちらも。中学校の教室の描写の中で登場した本ですが、この作家たちの本はもっと読んでみたいと思いました。

 子ども向けやヤングアダルト向けのブックガイドもいろいろ見るようになりました。2,3日前に 『今すぐ読みたい10代のためのYAブックガイド150!』(2017 年 ポプラ社)という本をパラパラ見ていました。そして、ブックガイドは「読み書き両方に、いろいろ使える」ので、何度もその美味しさを楽しめる、と思いました。

 というのは、パラパラ見ている20分ぐらいで、自分が次のように考えていることに気づいたからです。特に「書き手の目で見る」ことを教えるミニ・レッスンに、いろいろ使えそう!と思いました。

① まずは、自分の知っている本に目がいきました。どんなお薦め文が書いてあるのか?と気になります。パラパラ見ていて、C. V. オールズバークの絵本『ハリス・バーディックの謎』(村上春樹・訳)を見つけて、意外でした。ヤングアダルト向けのガイドブックなので、比較的読み応えのある分厚い本が多いのか、と思っていたのですが、「絵本もあり」なんだと思いました。でも、最後にこの本と関連する『ハリス・バーディック年代記』が紹介されていて、こういう入り方もいいなと思いました。(この年代記のほうも、読みたくなり、図書館に予約を入れました。)

② 「本の上手なお薦め文を書くには?」を学ぶために、学習者に、実際のお薦め文をいくつか読んでもらって、分析してもらうのに、使いやすいと思いました。この本は複数の人がお薦め文を書いているので、ここからいくつか、そして違うパターンのブックガイドからもいくつか使って、その特徴を考えるみたいな感じのミニ・レッスンをイメージしています。

③ この本の場合は 、お薦め本1冊につき見開き2ページで紹介されています。最初のページは本の写真、1~2行使って、大き目の字での縦書きの紹介、そして下の方に4~5行程度で横書きで短くアウトライン、そしてその次の1ページが紹介文となっています。

 それぞれの本の1~2行の縦書きの紹介を読むだけでも、面白いです。例えば

『ハリス・バーディックの謎』は、「あふれ出る物語を/つかまえて!」(226ページ)

『ジェーンとキツネとわたし』は、「モノクロの毎日が/カラーになった日」 (230ページ)

 『フラダン』は、「話してつながると/空はこんなに広い」(48ページ)

 これらをざっと見て、ひきつけられるものを選び、どうして?と考えても面白そうです。

④ 複数の著者が書いているので、「書き出し」と「終わり方」を学ぶのにもいいなと思いました。紹介文自体は1ページと短いので、「書き出し」だけに限定したあとに、全体を短時間でさっと目を通せるのも便利です。

⑤ 本の紹介のときに、ひたすら「あらすじ」を語る学習者がいますが、この本では横書き4~5行でアウトラインが書かれています。この形式自体、よく工夫されているなと思いますし、短くアウトランを書く練習にもなりそうです。

 ⑥ この「WW/RW便り」を入力しながら、著者たちが「漢字と平仮名」を、使い分けているのもわかります。こういうことも、書き手の目で見て、気づくことかもしれません。

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★ 読みながら、ミニ・レッスンのアイディアがいろいろ浮かびました。もちろん、欲張ると、何も残らないので、ミニ・レッスンに使うときは「教えすぎ」にならないように、焦点を絞らなくては、と思います。

⇒ そして「書き手の目から見るミニ・レッスン」を考える中でも、面白そうな本が紹介されていると、そちらに目がいきますから、結果として、読みたい本も同時に増えそうです。邪道な使い方かもしれませんが、いいお薦め本を知る以外にも、ブックガイドはいろいろ使えそうです。

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