2016年7月23日土曜日
教師が書き手になる そのためにできることは?
「毎日、教室に本当に書くことを持ちこむために、できるだけのことをしよう。書くということは、面倒で難しくて、でも同時に、とてつもない満足感を与えてくれるものであることを、子ども たちが分かるようにしよう。先生が書くことに苦労していることも話そう。書き手が行うこと、特に、到底書けないと思ったときに何をしているのかや、どうやって前 に進み続けることができるのかも、子どもたちに伝えよう」
上の文は、今読んでいる本★の(98ページ)に出てきたものの、ざっと訳です。
この本は、中学校で書くことを教える教師が、教師が書き手であることやそのことを授業にどう活かすのかについて書いている本です。タイトルも面白くて、 直訳すると『自信をもって書くことを教える先生』(英語のタイトルがThe Confident Writing Teacherです)という感じになるのでしょうか。
ライティング・ワークショップ(WW)では、教師は書き手の先輩として、書くときに本当に役立つことを教えていきます。ですから、先生自身が書き手であることは大切ですし、先生がよい書き手になればなるほど、ミニ・レッスンの選択肢も増えてきますし、内容も厳選されてくるはずです。
上で紹介した本では、 教師がよりよい書き手、よりよい書くことを教える先生になるための方法として、以下が紹介されています。(主に94~97ページより)
✍ 作家たちの話を聞く(ライブで聞けなければ、すでに録画されたものなどもある。作家たちがどのように書いているのかについて学んだ様々ことを、生徒たちにも伝えよう。)
✍ 仲間をみつける。書くことを教える先生たちの仲間(近くにいなければオンラインも活用)や、ライティングのグループなど。ライティングに関わる集まりやワークショップに出席する。
✍ ひたすら読む。(書くことについての専門書、子どもたちが向けの本も含む)
✍ ひたすら書く。(ジャーナル、ブログ、回想録、論文、アクション・リサーチ、詩、手紙等々)
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ライティング・ワークショップに出合ってから、私も、自分がよりよい書き手になりたいという思いを持つようになりました。
そのためにできることとして、私の経験からのお薦めは、二人以上で何かを一緒につくる(分担執筆でも、共著でも)ことをやってみる、です。
これを行うと、自分がいかにピア・カンファランスが下手か、よく実感します(苦笑)。
とはいえ、「一クラスの人数が比較的多めの日本の学校では、ピアカンファランスが大切」と言われることを考えると、ピア・カンファランスを教師が体験することは、必ず教室に還元されるはずです。(ちょうど、「大人のブッククラブ」体験が教室のブッククラブに還元されるように、です。)
ぜひ、身近なところから、ピアカンファランスができるようなプロジェクトを行ってみると面白いと思います。
あとはミニ・レッスンで指示したことを使って、実際に自分も書いてみる、です。
自分が実際に書くときに役立っていると実感していることを、子ども向けに選んで教えるときはよいのですが、「誰かのミニ・レッスン」を「これはよさそう」と思って使うときは、一度、自分でもその指示をしたがって何かを書いてみる(あるいは書いているものを修正してみる)のです。
これで書くことも増えますし、ミニ・レッスンの指示どおりにやってみて、「あれ?」と思うときは、そのミニ・レッスンの組み立てを考え直したほうがいいかもしれません。
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今年、個人的にもう一つ行いたいことは、外部の書き手たちの集まり(私の場合は英語を教えていることもあり、英語の書き手たちの集まり)に、 出席することです。
RWに出合ったおかげで、私の読書生活はそれまでと比較できないぐらい、豊かになりました。同様に、WWのおかげで、書き手としても成長しつづけたいと思っています。
そう思うのは、もちろん、書くことを教えるよりよい教師になりたいからですが、同時に、書くことの力や面白さを感じられるからのようにも思います。
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★ 上で紹介した本は、Shelley Barker著の The Confident Writing Teacher: Cultivating Meaningful Writing in Middle School です。2013年にHeinemannから出版されています。
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