前回5月27日のRWWW便りでは、「熟読の呪縛」★から逃れる一つの方法として、例えばペナック先生の「読者の権利10箇条」のような、呪縛を解くようなスローガン(?)を子どもたちに伝えることを紹介しました。
読者(読み手)の権利があれば、作者(書き手)の権利があってもよさそうなものです、と思っ
ていたら、タイミングよく、数日前に「作者の権利10か条」が、ある人のブログで紹介されていました。イギリスのナショナル・ライティング・プロジェクトUKが2011年に作成したものだそうです。
そのブログには「これは素敵&大事!『作者の権利』10か条」という題がついていますが、たしかに素敵な権利です。
今回は、そのブログの作成者の了承を得て、そのブログから「作者の権利10か
条」を中心に紹介します。(詳しくはブログ http://askoma.info/2016/05/29/3086 をご覧ください。)
まずはブログで紹介されていた作者(書き手)の権利10か条は以下です。
• 書いたものを見せない権利
• 書き直したり、消したりする権利
• どこででも書ける権利
• 信頼できる読者を得る権利
• 書いている途中で迷って、どこに行くかわからなくなる権利
• 書いたものを捨てる権利
• 考える時間をとる権利
• 他の作者から借りてくる権利
• 実験をしたり、ルールを破ったりする権利
• パソコンを使ったり、絵を描いたり、紙とペンで書いたりする権利
皆さんはどの権利が印象に残りますか?
私は個人的には
「• 書いている途中で迷って、どこに行くかわからなくなる権利 」
と
「• 実験をしたり、ルールを破ったりする権利 」が好きです。
何か作り出す過程は、私には試行錯誤なので、それを権利して保障されるのは嬉しいです。
(← そして、その過程を経て、何かを創り出せたときは、とても嬉しいです!)
上で紹介したブログ作成者のページ http://askoma.info/2016/05/29/3086 に飛ぶと、この10か条についての、ブログ作成者のコメントも読めます。
また、この10か条の権利はイラスト付きでポスターになっているらしく、上のブログでは、そのポスターの写真も見れます。
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ブログ作成者は、大学院の研究室のドアでこのポスターを見かけたらしいのですが、「このポ
スターを研究室の扉に貼っている先生への興味もむくむくと」とも書かれています。
➡ 職員室や教室のちょっとしたスペースに何を貼るのか、それを見た人から、思いがけない、つながりが生まれることもあるかも、と「作者の権利10か条」のブログを読みつつ、そんなことも考えたりしました。
こんなふうに、あることを書きながらふと思いついたことを書くことは、「あることを書きながら、
少し横道に逸れることを書く権利??」かもしれません。
➡ 子どもたちに、追加したい権利を聞いてみてもいいかもしれない、とも思いました。
また、追加した権利について話し合うことで、「権利としては存在しても、いい文章を書くことにはつながらないかもしれないね」等のコメントが出るかもしれません。もしかすると、「いい文とは?」を考えるきっかけになるかもしれません。
今日は、途中で横道に逸れつつも、「作者の権利」の紹介でした。
★ 「熟読の呪縛」については、5月20日のRWWW便りで紹介されている本『遅読家のための読書術』に登場しますので、詳しくは5月20日のRWWW便りをお読みください。
ポスターのオリジナルは、
返信削除http://www.nwp.org.uk/uploads/5/7/5/2/57522719/poster_right_to_write2.pdf
で見られます!
紹介ありがとうございます。ポスターのオリジナルファイルへは、僕のブログからもリンクを貼るようにしますね。
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