2014年7月18日金曜日

濃厚な一体感がある授業/学校

 今回のテーマは、教師にとっても、子どもたちにとっても、決定的に重要な集団の中で自分の居場所があること。あるいは、自分ははみ出した存在ではなくて、濃厚な一体感を感じられることについて。

 これは、WWやRWの教室を運営する際にはとても大切にされています。クラスが読み・書きのコミュニティになっていることが求められますから。1学期間実践して、すでにそうなっていますか? (このことは、本来は、WWやRWを実践するしないにかかわらず、教室運営の基本中の基本だと思いますが・・・・)

 直接的には、Jennifer Allenが書いたA Sense of Belongingという本を読んでいた時に再確認したことです。以下、数字はページ数。青字斜体は私のコメントです。

7 frequent, intensive(meaningful and relevant), individualized instruction/supportがいい授業/研修には欠かせない。 子どもの学びにも、大人の学びにも欠かせない。そうすることで、教室/学校にプラス(正)のエネルギー(気)が充満する。そうじゃないと、マイナス(負)のエネルギー(気)が充満しちゃう。

8 学校には、skilled, thoughtful, reflective, energized, responsive educatorsが必要。
 ~ しかし現実は、教員の何割がこの基準に当てはまる??

第1章 関係

 大人同士の関係が、学校の雰囲気・文化を形成する。やることの質までも決定づける。

9 最初の2年間、誰とも関係が築けなかった。教師をやめようと思っていた時に、
10 「学校の中の学校」★を幼稚園から3年生の教師でつくる誘いを受けて、関係が築けるようになった。 ~ 単に会議に参加しているようなレベルではダメ。この関係性を築くために管理職はいったい何をしているのか?
 いろいろなことを本音で話し合える仲間の存在の大切さ。

11 まだ経験の少ない、知る人もいない者の立場に立って、接していく/サポートしていく。 それが、長年やっていると忘れてしまい。誰もこなせて当然というスタンスを取りがち。極めて不親切。実際に動かしている立場からは、何の助けにもならないようなことが多すぎる。

12 勉強会への招待★★: ①新しい情報が入手できる、②すでにもっている知識を確認できる、③仲間をつくれる、④疑問・質問に答えてもらえる などのメリット ~ 参加したメンバーの関係づくりこそが最大の宝!!

13 クラスの環境を作るための勉強会
 最初の数週間は、教師が子どもたちを知り、個別にアプローチする方法を考えるのと同じように、教師が相互に知り合い、それぞれにとってベストの関係/サポートの仕方を考える。みんな一律にやったところで、それぞれに得意・不得意や好き・嫌いがあるので、効果はあげない!!

15~16 各教師に対して、子どもたちにつけるカンファランスノートと同じような記録を残すといい。違いが明確になる。 それを、全員あたかも同じようにアプローチしていては、やっている方は責任逃れができるだけ。 ほとんど何のサポートにもならない。

  声をかけて、いつでも相談に乗れる状態・関係を築くことが大切。
  そういう存在がいない、あるいは極めて稀ないまの学校。ということは、教師同士でそういう状態が恒常化しているということは、教室の中でも、子どもたち同士の関係でそういう状態が当たり前になっているということ?? これは、学校の中だけでなく、会社の中や社会一般でも言えること?


★ この「学校の中の学校」というアプローチは、いい学校のつくり方について書いた『いい学校の選び方』の4~14ページや、『効果10倍の学びの技法 ~ シンプルな方法で学校が変わる』の239ページで紹介しているように、極めて効果的な方法です。いまの学校に最も欠落している、教師たちが主役意識を持てるアプローチだからです。逆に言えば、いまの教育行政はすべて、教師たちに主役意識を持たせない形で行われていると言えるかもしれません。それが、明治以来の日本の教育の一大特色であるがごとく。

★★ 意味のある学びをつくり出すには、規模が大切なんだと思います。特に、継続性を重視する時は。せいぜい5~6人。最大でも、7~8人ではないでしょうか? 日本で行われている校内研修・研究(やセンター研修)というのは、それをはるかに超えた規模で行われているので、学んでいると思える人が極めて少ないままが続いているのではないでしょうか? しかも、イベント的に1回、2回・・・数回やるのではなく、継続的に(最低でも年間を通して、願わくは2~3年)どれだけ取り組み続けられるかがカギです!! それも、ほとんど日々。(その意味では、従来の「研修」の枠をはみ出さないと実践は変わらないでしょう! 要するに、イコール仕事そのものにならないと。)

★★★ 一体感という観点から最も弱いのは、文科省や教育委員会、そして大学だと思います。いいモデルを示さないといけない立場にありながら、自分たちの役割がわかっていないのです。

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