2014年2月1日土曜日

心に残る一言(の可能性)

 「共有の時間の、ほかの使い方を紹介します。少数の子どもたちに読み上げてもらう代わりに、クラスの子どもたち全員に、自分の書いたもののなかから1文を読み上げてもらうのです。子どもが一番気に入っている文でもよいですし、書き出しの文でもよいでしょう」

 『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチャー、ジョアン・ポータルピ著、新評論、2007年)60ページには、上記のような共有の時間の使い方が紹介されています。

 英語を教えているある先生は、1年間の「作家ノート」をざっと読み直して、一番、自分の好きな文(あるいはフレーズ)を黒板にそれぞれ書いてもらったそうです。そして全員の文を読み上げて、皆で味わったそうです。

 そのときの黒板の写真も送ってくださいましたが、いろいろな筆跡で、色チョークを使っている学習者もいたりして、それぞれが、人に見せるために丁寧に書いているのだろうなあと思いました。

 ライティングで同じような実践をしたほかの教員も、「(英語の)ライティングをやっていると、ついつい意識は内容や構成の方にいきがちになるが、言葉そのものに焦点をあてると、学習者はとても関心をもった」と言っていました。

 
「一文を自分で選ぶ」ことは、書くことの授業だけでなくて、読むことの授業でも使えると思います。

 私は読むほうの授業で、自分が読んできたものから英語を一文抜き出して、それを書いてもらい、OHPで映して、読み上げてもらったことがあります。

 一文なので、文脈から切り離されてはしまいますが、見ていると、その一文だけでも、まとめ的に意味が凝縮されていて、十分に味わえる文も少なくありません。

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 自分で一文を選ぶ場合、自分が書いたものからでも、自分が読んだものからでも、選ぶには何か理由があるはずです。もちろん、全文に触れ、全文から得られるものとは質が異なりますが、それでも心に残る一文(やフレーズ)に出合えるかもしれません。

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