読書ノートの有効な活用法について、Aimee
Bucknerさんのすばらしい本から私がとったメモを大分長く連載してきましたが、メルマガでの配信は今回が最後になります。ブログには「17」を載せます。
私が紹介したのはごく一部ですから、興味を持たれた方は、ぜひ原本を読んでください。
126●Free Response(自由振り返り)
私は、1か月に1~2回は土曜日の朝、教室に来て、これまでしてきたこと、今していること、そしてこれからどこに行けばいいのかを考えて、具体的なレッスン・プランなども考えるようにしている。そして、これは不可欠なこと。
同じようなことは、子どもたちにも大切。たまに時間を作って、「これまでしてきたこと、今していること、そしてこれからどこに行けばいいのかを考える」ことが。Guided Questionsは、それを教師からの投げかけでするが、Free Responseは各自が自分で考えてする。
あまりたくさんを書く必要はないが、よりいい形で前に進むためには、振り返ることがとても大切。
127 子どもたちの事例
128●ルーブリック
私の母親は、自分が通っている学校の教師をしていたので、課題を提出する前には、常に目を通してもらって、Aがもらえるようにしていた。母親は単に目を通すだけでなく、自分でできるような方法も教えてくれた。「プロジェクトの目的をしっかり理解して取り組んでいたか? 指示を全部カバーしているか? 事例やイラストをちゃんと含めたか? ちゃんと校正したか? ベストを尽くしたか?」 これらの問いに「はい」と答えられたら、Aが約束されていることを。
ルーブリックは、生徒たちに結果をもらうまで待たなくともいいようにしたもの。上の質問すべてを網羅したものがルーブリックだから。
期待されていることを明確にするのがルーブリックの役割
129 3年生担当の同僚のルーブリック (読んだ反応に対するルーブリック)
<メルマガからの続き>
(4段階)4 3 2 1
○考えたことについて
・以下のような方法を使って、少なくとも3つのことについて書いている
1.物語の登場人物、荒筋、背景、テーマ、扱われている問題など)
2.関連づけ
3.推測
4.質問
5.物語の中でおこっていることへの反応
・教師のフィードバックにちゃんと回答した
○考える際に大切にすること
・証拠を引用して書いている
・そう考えた理由を書いている
・読み手、書き手としての役割を理解して反応している
・ベストの反応をすべく努力した
○明瞭さ
・読み手に自分の考えたことがわかりやすいように書いた
○個性的
・読んでおもしろい/得るものがあるように書く努力をした
○その他
・しっかり校正や言語事項をチェックした上で提出した
・時間通りにきれいに書いて提出した
・手紙の様式のすべてを満たしていた
・一つの節に一つのアイディアを書いた
131 同僚のに対して、私のルーブリックの柱は4つ: 分量と方法の多様性、考察、文の構成、必要条件の達成度 ~ このうちの3つは作家ノートと同じ。それは意図的にそうしてある。両者とも深く考えるための手段だから。
132 私のルーブリック (実際は、表になっていますが、大きいので、項目別に書き出しました。)
基準1:分量と方法の多様性
A: 分量はほとんど1ページぐらい。多様な理解の方法とノートの使い方を使いこなしている。
B: 分量は1ページ前後。ノートの使い方も理解の方法も一部しか使いこなされていない。
C: 分量はさまざま。再話と要約が中心。
D: 分量は少ない。方法やノートの使い方が少なすぎる。
基準2: 考察
A: よく考察されており、新しい解釈が提示されることも。GUMSに忠実。
B: 理解の方法を使おうとしていることが伝わってくる。GUMSも使っている。
C: 再話以上の理解が表明されていない。GUMSのマチガイがちらほら見える。
D: GUMSのマチガイがいっぱい。荒筋以外には考えていない。
基準3: 文の構成 (これって、上の思考に左右されない?)
A: 読み手を考えて構成している。思考の流れやパラグラフを効果的に使いこなしている。
B: 可もなく不可もなく、というところ
C: 構成されていない。根拠も提示されていない。
D: 考えていないことが見え見え。
基準4: 必要条件の達成度
A: 必要条件の90%以上を満たしている
B: 必要条件の80%以上を満たしている
C: 必要条件の74%以上を満たしている
D: 必要条件の73%か、それ以下しか満たしていない
133 4つの基準が明らかにしてくれる内容は、
基準1:分量と方法の多様性 によって、自分にあった本を読んでいるのか?
楽しんで読んでいるのか? むずかしめの本を読んでいるときには、どんな方法を使っているのか? やさしめの本を読んでいるときには、どんな方法を使っているのか? 理解に役立つ7つの方法やノートの使い方を使いこなしているのか? などが見えてくる。
基準2: 考察 が、もっとも客観性が薄い項目。でも、
・ 努力して書いているか? 文章の質?
・ 要約と再話を超えたものになっているか? 本から写し取ったものではなく、自分の考えを表明しているか?
・ 自分の声をもっているか? 本の中から例を引いているか?
・ 理解の7つの方法を使いこなして、深いレベルの考えを作り出せているか?
教師が、熟慮した反応のモデルを示すことが何よりも大切。特に、新しい方法を教えるときは。他の生徒たち(前の年)の例を示すのも、とても効果的。
134 基準3: 文の構成
作家ノートと読書ノートの違いは、いろいろあるが、読書ノートは読み手と本とのやりとりを書き出すところ。自分の頭の中で構成して書き出すことが出来る。(それに対して、作家ノートは構成しないで書くところにこそ価値がある! 自分の考えていること/あるいは自分の頭の中にあったこともわからなかったことを筆に語らせる形で。また作家ノートは毎日最低でも1ページぐらいは書くことが想定されているが、読書ノートは数日に一回。基本的には、よく考えたものを。)
そして、読書ノートの場合は、この本で紹介してきたように、それを可能にするいろいろな方法もあり、それを使いこなすことも大切。
単に考えたことを書き出せばいいのではなく、どう考えたのかをわかりやすく紹介する(誰かに伝える)ことまで含まれていることを明確にしておく。 ← これがあることで、作家のサイクルと読書のサイクルが同じサイクルになる!!
基準4: 必要条件の達成度 は、一番単純。子どもたちは、最低でも週に2回書くことになっている。私は2週間に一回チェックしてフィードバックを提供している。その時に、その関したことを100%で出して、どれだけのことをノートで表わしているかを測るだけ。
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