ここ3回は、連続してレイ・ブラッドベリについてのRWWW便りでした。この3回を読んで、私はレイ・ブラッドベリの本を読み始めています。
それだけではなくて、「レイ・ブラッドベリ2」に書かれていたことのおかげで、リーディング・プロジェクトについても二つのことを考えました。
リーディング・プロジェクトについては、『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)の12章(208−215ページ)に説明されています。わずか8ページの短い章ですが、とてもいい章です。
先生たちが冗談めかして、リーディング・プロジェクトを「本を読むことを土台にした生活を築く学習」と呼んでいる(209ページ)とも書かれています。
ではレイ・ブラッドベリから、リーディング・プロジェクトについて考えた二つのことを、以下に短く書きます。
(1)リーディング・ワークショップの成否は、好き嫌い
ブラッドベリ・ 小学校から高校までの時代にも図書館には行っていた。夏には昼間ずっと入り浸っていた。よく雑誌を勝手に持ち出して、読んで、また勝手に棚へ戻した。・・・学校へ行くよりはるかにおもしろいさ。自分で読みたいもののリストを作って、誰に何を言われるのでもないんだ。うちの子どもたちが宿題として読まされる本を見ていると、こんなことで成績をつけられるのか、そういう本が好きじゃない子はどうなるんだ、なんてね。
パリス・レヴュー・ それが大事だということですすね。自分の好き嫌いで決めてよい。
ブラッドベリ・ そうだよ、それがすべて。★
『リーディング・ワークショップ』には以下のような文もあります。
「リーディング・プロジェクトを、子どもたちの情熱や望みをうまく引き出す機会にしましょう。自分で選んだ秀逸なサイエンス・フィクション作家による素晴らしい作品からその世界を探求すること、教師から与えられた本、あるいは一定の難易度の本ならどれでもいいので読むことを考えてみてください。この違いは歴然としています。
リーディング・プロジェクトの利点は他にもあります。自分の興味に基づいているので、子どもたちの多様性が見えてきます。いったんリーディング・プロジェクトを実施してみると、その前はみんながほとんど同じものを読んでいたように感じるくらいです」(212ページ)
(2)リーディング・プロジェクトから生活の一部(習慣)に
「一晩に一篇のエッセイを読むことを千夜続ける。また、一晩一篇の詩を千夜。一晩一篇のストーリーを千夜。そうすれば千夜で三千のメタフォーが頭の中にある」★★
これもRWWW便り「レイ・ブラッドベリ2」で紹介された言葉です。
「一晩に一篇のエッセイ、一晩一篇の詩を千夜、一晩一篇のストーリーを千夜」となれば、もうこれは生活の一部だと思います。これが千夜で終わったとは思えないので。
もし、夏休みに、上の縮小版(例えば、一晩一篇の詩 × 40日)をリーディング・プロジェクトとして取り組み、それが気に入れば、そのうちに、そのリーディング・プロジェクトは生活の中の織り込まれていくことと思います。
リーディング・プロジェクト=「本を読むことを土台にした生活を築く学習」というのは、本をよむことを土台にした生活づくりの「きっかけ」でもあるからだと思います。
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★『ブラッドベリ、自作を語る』 368ページ
★★ 『ブラッドベリ、自作を語る』 285ページ
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