2010年6月18日金曜日

ピア・カンファランス

☆ 低学年のピア・カンファランス

 Katie Wood RayさんのAbout the Authors: Writing Workshop with Our Youngest Writers (Heinemann, 2004) という本があります。幼稚園から小学校2年生ぐらいを対象としたWWについての、実践例豊富な、とてもいい本です。

 こんな年代の子どもたちでも、ピア・カンファランスをしています(pp. 188-191)

 この本によると、一つの方法として、ピア・カンファランスが必要なとき、ということでいくつかの項目を挙げています。

 例えば、どんな時にピア・カンファランスをするといいかというと、「誰かに尋ねたいことがあるとき」、「自分の書いたものにある意図があるので、それが読み手にちゃんと伝わるかテストをしたいとき」、「今、書いていることを、もっと膨らませたいから、誰かに自分に質問をしてほしい(これについて、何が知りたいかを自分に言ってほしい)とき」等々です。

 年代的な特徴を踏まえているのかもしれませんが、子どもに「こういう必要があるときに、他の人に助けを求めるといいよ」ということを、はっきりさせることで、ピア・カンファランスをしやすくしているように思いました。

 そして先生が、それぞれのカンファランスについて、説明をしたあとに、みんなの前でロールプレイなどをつかって、どんなカンファランスかをはっきりと教えていきます。

 また、こんなカンファランスがあるよ、と説明するときに、できる限り、子どもたちの書き手としての経験に照らしあわせて、子どもたちにつながるように教えているのも、よく分かります。


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☆ 以下は、先週の金曜日に貼り付けたのですが、設定がうまくいかなくて、再度、貼り付けましたが、うまくいきませんでした。それで、今日、再度、貼り付けます。もしかすると、ほぼ同じものが、すでに2回、メールで流れたかもしれません。もし、そうでしたら、すみません。

 人数が多い日本の教室では、ピア・カンファランスはけっこう大切な気がします(←たしか、このことは『作家の時間』でも言われていたと思います)。

 ピア・カンファランスをうまく行うためには、いろいろな方法があるようです。

 Nancie Atwellさんの In the Middle  (2nd ed.)  (Boynton/Cook 1998 )という本があります。私の大好きな本の1冊です。

 彼女は中学生を教えています。クラスでピア・カンファランスをすることもあると思いますが、彼女の場合は面白い方法を使っています。それはミニ・レッスンを使って、良いカンファランス(助けになるカンファランス)と悪いカンファランス『助けにならないカンファランス)の例を見せるということです(pp.  158-159)。

 子どもに協力してもらって、ピア・カンファランスの「いい例」と「悪い例」のロールプレイをして、子どもたちはそれを観察するというものです。同じ作品でいい例、悪い例の両方を行うとはっきりするようですね。

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 Carl Anderson というカンファランスのカリスマ?とも言われている?人が、WWのカンファランスについて書いたhow’s it going?  (Heinemann, 2000)という本があります。

 彼も、同様に「金魚鉢」(何人かが金魚になり、その行っていることを他の人が金魚鉢の外側から観察するというので「金魚鉢」と言われる方法)を使っています。 

 先生は、子どものやっていることを言語化してはっきりさせたり、ときには中に入り「今、先生が何をしたか分かった?」みたいに問いかけたりもしています(p. 146)

→ 私が思うには、どちらにおいても、そのポイントの一つは、他のカンファランスに応用できるような形で子どもが理解できるように、先生が言い換えたり、サポートしたりすることかなと思いました。 

 例えば「何について助けてほしいかを伝える・(あるいは)尋ねる」などは、次回のカンファランスにもすぐ応用できそうです。

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