2018年3月30日金曜日

選ぶことで見慣れた日常の見方が変わる



 新刊の『言葉を選ぶ、授業が変わる!』(ピーター・H・ジョンストン 著、長田友紀、迎 勝彦 吉田新一郎編訳、2018331日)を読んでいて何度も何度も「なるほど」と頷きました。国語教育の本で、教師の「言葉」の働きに目を向けた本はありますが、生徒の内面に食い入るような「言葉」の重要性を指摘した本は多くありません。著者であるジョンストンさんの言葉は(苦心して見つけてくださった本書の訳文は)、読者の心を掻き立て、励まします。

 たとえば、次のような指摘は、教師の端くれである私も深く頷かざるをえませんでした。



教えるためには、褒めるだけでなく次の成長に必要なことを言わなければなりません。(94ページ)



 まさしくそうなのです。「褒める」言葉が「伸ばす」言葉になるたには何が必要かということを教えてくれる言葉です。「褒める」言葉が大事なのはそれが次にやるべき何かを、相手に示すものであるから重要なのです。



言い換えをすれば、その子のやり方が否定されにくくなるのです。(95ページ)



 これも至って微妙な言葉選びの心理と成果を言い当てています。ある生徒が学ぶなかで生み出した言葉について、その生徒の思いもよらない言葉でコメントしても、なかなか受け入れてもらえないことがよくあります。ましてや、自分が正しいと思い、よかれと思って発した言葉がかえってその生徒の学習成果を否定してしまうこともあります。それよりも「言い換え」をしていった方が伝わりやすいというのです。「言い換え」をすることは相手が苦心したことをまずは受け入れて、それを豊かに変身させることであり、うまくできれば、相手はその「言い換え」られた言葉に自分のやろうとしたことを発見してくれるかもしれません。こういうことに気づくことができる感性が素敵だと思いました。

 次のようにも書かれています。



ときには、正面から挑むよりも裏口から挑んだ方が効果的な場合があるのです。明確化しても必ずしも効果的な学習をうみ出すことにはつながりません。(19ページ)



 「裏口から挑」むというやり方、いろいろと工夫ができそうです。「言い換え」はその具体化の一つです。「明確化」するよりも、「言い換え」をしたり、相手の言葉を繰り返したりしてあげた方が、こちらの伝えたいことを理解してもらえることはよくあります。それは、相手の言葉を理解しようとしていることが伝わるからなのではないでしょうか。



 これは、ジョンストンの言葉に、エリン・オリヴァー・キーンが『理解するってどういうこと?』などで明瞭にした「理解するための方法」の重要性を教えるものが少なくないこととも関係しています。「質問する」ことは本書で沢山取り上げられていますが、そのほかにも次のような言葉がありま



書くことはきわめて意図的なことであるということを会話の中で習慣化することが、クリティカル・リテラシーを育む素地となります。(100ページ)



 読み書き一如のこうした考え方がまず魅力的です。書くことがきわめて意図的であるということを念頭に置いて読めば、主体的な読み方になります。何を言おうとして、どのような言葉を選んでいるのかということに気をつけようとするからです。「書くことはきわめて意図的なことであるということを会話の中で習慣化すること」は、読むときに文章の「大切なことを見極める」という方法を使えるようになる「素地」となります。そうすることで、著者との対話、他の読者との対話、何より自己との対話が促されるからです。

 ジョンストンさんの言葉は、こうした「なるほど」を私という読者からたくさん引き出してくれます。「なるほど」を引き出すというだけでなく、読者の記憶や経験を引き出してくれるのです。読むことは、著者が生み出した言葉と読者とのやりとりのなかで、読者の記憶や経験が引き出される、ということを実感させてくれるのです。言葉を選ぶことはその言葉の意味も選ぶことでもあります。そのことで、見慣れた日常の見方が変わるのです。

2018年3月23日金曜日

これであなたも読み聞かせ上手に」【その3】 ~新学期に読み聞かせたい本

 ここ1~2か月、読み聞かせについて何度か書いていますが、今日は【その3】として新学期に読み聞かせたい、お薦めの本です。


 2018年3月2日のRWWW便りに登場した読み聞かせの名手、冨田先生と都丸先生からの情報を紹介します。

 まず育休を終えて教室復帰する冨田先生からです。先生によると、「新学期、クラスで大切にしたいことや、新学期に達成したい目標など、どれも、絵本を使って考える種をまくことができます。春にまつわる学習に入る前に、学習の種もまいておきたいところです」ということです。



 以下、春に読み聞かせたい本の紹介です。

 (➔ 冨田先生からは、「なぜ、この本を選んだのかという理由」も教えていただきましたが、「なるほど」と思います。また、それぞれの本のお薦め学年は、選んだ理由の最後に書いてありますので、参考にしてください。)

◯「やまめとさくらます」
おくやまふみや 作 あさりまゆみ 絵 ポトス出版


 強いヤマメはエサを実力で勝ち取り、弱いヤマメはエサが取れず、川下に逃げていきます。そこで、大海と出会い、弱いヤマメは体を変化させて、強くたくましく成長するのです。サクラマスへと変貌を遂げます。産卵のために川に戻ってくるサクラマス。そこには、かつて自分を追い払ったヤマメがいました。


 弱いヤマメが逃げることで強くなって帰ってくる。逃げることで強くなるお話は、僕は何か、子どもたちにも当てはまるような気がしています。中学年ぐらいにおすすめ。

◯「ピンクのいる山」
村上康成 作・絵 徳間書店


 ヤマメで思い出したのがこの本。冒頭から登場するかわいい主人公のヤマメは、すぐにつられて人間に食べられてしまいます。けれど、この本は、かわいそうとか、ひどいとか、そういう話ではないのです。自然が大きく、深く、慈悲深く感じられる、山に出かけたくなる一冊です。低学年でも高学年でもOKです。むしろ高学年に読み聞かせして、反応を楽しみたい本です。

◯「ライギョのきゅうしょく」
阿部夏丸 作 村上康成 イラスト 講談社


 村上康成さんで続くと、僕はこれがおもしろいと思います。ライギョはタナゴを食べるとさかな学校で教えられるライギョ君。でも、タナゴは友達です。村上さんの本は、このような自然の深さ、関係性に着目させる本が多いですね。

 このどうわがいっぱいシリーズは、絵本から脱皮するための大切な位置づけの本だと思っています。小さい子にも探しやすい背表紙の色やマークがありますので、低学年の子に目印を教えてあげてください。

◯「はちうえはぼくにまかせて」
ジーン・ジオン 作 マーガレット・ブロイ・グレアム 絵 もりひさし訳 ペンギン社


 トミーくんは近所のみなさんのはちうえを預かることに。はちうえが大好きなトミーくんは家中がはちうえになって幸せ。でも、はちうえが育ちすぎてしまう夢を見て、彼は本を夢中で読んで、しっかりと育て方を調べます。生活科や鉢植えを育てる前に、読んではどうでしょうか?きっとみんな、育て方を調べてみたいと思うはず?

◯「エディのやさいばたけ」
サラ・ガーランド 作 まきふみえ 訳 福音館書店
◯「ソフィーのやさいばたけ」
ゲルダ・ミューラー作 ふしみみさを訳 BL出版


 栽培関係でこちらもおすすめです。どちらも、絵本というよりは知識を授けてくれる本です。野菜畑を作る前に、読んでみてはどうでしょうか?魅力的な野菜の育て方も登場して、子どもたちの知的好奇心をくすぐるよな本です。僕達もこんなに自由な野菜づくりをやってみたいと思うのでは?ソフィーのほうが中高学年向きです。

◯「リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険」
◯「アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険」
トーベン・クールマン作 金原瑞人訳 ブロンズ新社

 高学年ならば、こういう本の読み聞かせはどうでしょうか。少し長いですが、ちっぽけなネズミが空をとぶことに挑戦する生き様がかっこいいですよ。今年一年、無理だと思われていることに、勇気を持って挑んでみたい。幾度の失敗を乗り越えて、宇宙に旅立とうとするネズミから、勇気づけられたい。新しく迎える1年の目標を作る前に、この2冊を読んでみてはどうでしょうか。

 次は都丸先生です。「以下の本は1~3年生の教室で考えているものの、本によっては高学年で使えそうなものもあるので、子どもたちに合う本を選んでもらえればと思います」とのことです。テーマ別にリストされているのも、便利です。

新学期に読み聞かせをしたい本

読むことの喜び
『としょかんたんていゆめきちくん』

『としょかんライオン』
『エリザベスは本の虫』
『よにもふしぎな本をたべるおとこのこのはなし』
『としょかんのよる』
『おはなしこねずみロミュアルド』
『オオカミだって…』
『ルラルさんのほんだな』
『本の子』
『ほんなんてだいきらい!』バーバラ・ボットナー

笑いで1日を始める
 『ぜったいたべないからね』ローレン・チャイルド
 『ちゃんとたべなさい』ケス・グレイ
  ✳2冊を比べて読んでもおもしろい。苦手な食べ物に対するアプローチの違い。



 『うどん対ラーメン』
 『でっこりぼっこり』
 『はれときどきぶた』
 『バナナじけん』
 『メチャクサ』 
 『じごくのそうべえ』
 『キャベツくん』
 『いちにちおもちゃ』 シリーズでおもしろい。



  みんなで考えてみよう
 『あそこへ』マリー・ルイーズ・フィッツパトリック
 『ぼくは…』三浦太郎 

 『ちっちゃな木のおはなし』ローレン・ロング

 詩の言葉
  『詩ってなんだろう』谷川俊太郎 
  『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』

 言葉遊び

『だんながなんだ』
『さかさことばでうんどうかい』
『かばのさら・ばらのかさ』
『これはのみのぴこ』
『これはすいへいせん』
『どうぶつえんはおおさわぎ』

2018年3月16日金曜日

新刊『言葉を選ぶ、授業が変わる!』




 親や教師はみな、子どもによりよく学んでほしいし、これからの人生を自分で切り拓き、幸福に生きていってほしいと願っています。「子どもに主体的に自ら学んでほしい」「話し合いのできるよい教室コミュニティーを作りたい」「子どもと一緒に自分も学びたい」と思っている教師も多いです。

 しかし、それらのどれほどが実現できているでしょうか?
 なぜ、できないのでしょうか?

 学校や教育制度の中で、私たちはもがいていますが、子どもに接する私たち大人が、考え方や心持ちを変え、使う言葉(コミュニケーション)を変えると、子どもの学びが変わり、子どもたちの生活や未来をも変えることができる、というのが本書の趣旨です。教師にとって役立つばかりでなく、親や、子どもを成長させたいと思っているすべての人にとって有益な本となっています
 著者であるピーター・ジョンストン氏は、学校で使われる言葉を変えたいだけでなく、学校の外の社会で使われている言葉を変えたり、言葉がつくり出す差別までも解消したりしたいと願っています。本書もそのような考え方に基づいて書かれており、アメリカでは25万部も販売されています。

 私たちは、常に、何をどう話すかの選択をもっています。それも2つ以上の選択肢を。
 具体的な事例を、本の中から紹介します。表1-1は、本についての話し合いがうまくいっていないグループがあると想定した場合、教師は子どもに何をどう言うかを決めることになりますが、何と言うでしょうか? 表1-1には、3つの選択肢と、それらを選択した場合に生み出されるものや関係性やアイデンティティーなどが分析されています。


 授業中の教師と生徒たちとのやり取りを分析した例は日本にもたくさんありますが、本書は次元がまったく違ったものになっています。フォーカスしている内容は当然のことなのですが、それと同時に、
 ・主体的な学び手/考え手(あるいは、自立的な問題解決者)を育てるためにはどのような語りかけ方が効果的なのか
 ・意欲をかきたてたり、アイデンティティーを形成したりするにはどのような投げかけが可能なのか
 ・教室を民主的な学びのコミュニティーにするには、どのような教師の言葉かけが可能なのか
 ・教師が教えることと、子どもが学ぶことはイコールではなく、教えることで満足するのではなく、子どもが学ぶことにこそ焦点を当てるにはどうしたらいいのか
などに答えてくれているのです。

けっして頭から読まなければならない本ではありません。どこからでも興味をもったところからまずは読んで、なによりも試してほしいと思います。
そうすれば、きっと子どもたちや授業が「何か変わる」という驚きを体験できるはずです。著者は子どもも教師も「チャレンジ」することを大歓迎しています。うまくいくこともあれば、失敗することもあるでしょう。子どもたちが変わった(自分も変わった)という点がわずかでもあれば、少しぐらい失敗してもまた挑戦して欲しいと思います。そのうちに自然と授業が変わり、いつのまにか子どもが大きく変わっていることに気づくはずです。それこそがジョンストンのマジックです。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b352154.html

2018年3月9日金曜日

読み聞かせには多様な方法がある! 新刊紹介


 読み聞かせをすでに実践している方、読み聞かせにこれから取り組みたい方、読み聞かせを同僚に紹介したい方、読み聞かせの幅を広げたい方・・・のために書いた本です。


読み聞かせは、本当はもっと楽しい! 子どもたちと一緒につくる読み聞かせ
読み聞かせは、本当に読み聞かせるだけで良いのでしょうか? 絵本を読み上げる声にじっと集中して聞き、聞き終わったあとはその子の想像を壊さないように、子どもに感想を求めない。これが絵本の読み聞かせの暗黙の了解のように広がっていますが、本当に読み聞かせの効果を十分に発揮しきれているのでしょうか?
実は、はるかに効果的な時間に変える方法があるのです! 世界で行われている多様な読み聞かせを紹介しながら、読み聞かせが持つ素晴らしい力を鮮やかに描き出します。それらも活用して、子どもたちの読書力をさらに呼び起こしてください。
先生、司書、ボランティアなど、本に関わるすべての方、そして何より、子どもを本好きへと願うすべての保護者に。

 以上は、本の表紙の裏に協力者の一人の冨田明広さんが書いてくれた文章です。

 私にとっての関心事は、「どうしたら読む(書く)ことが好きになり、そして自立した読み手(や書き手)になるか」です。(自分が体験しているので、これまでの日本の国語教育と図書教育でないことは、はっきりしています。)そのための方法を模索している過程で、2000年代の半ばに、次のような表や図に出くわしました。(ページ数は、『読み聞かせは魔法!』のページ数です。)

 図2や図3からは、読み聞かせが出発点であることは分かりますが、それだけをしていればいいわけではないことが明らかです。

 新刊で扱っているのは、図2の上の4つで、下の4つは『リーディング・ワークショップ』『読書家の時間』『読書がさらに楽しくなるブッククラブ』などですでに紹介しています。


 表1には、読み聞かせ自体が載っていません。その代わりに、「対話読み聞かせ」と「いっしょ読み」が載っています。そしてまさに、読み方を学ぶ(教師からすれば「教える」)多様な方法は大切だということが、これらの図表から分かります。

 これらのうちのどれだけが、日本の教室や図書館で行われているでしょうか?
 なかなか読むことを好きになり、そして自立した読み手を育てられない理由がこんなところにあるような気がするのです。
 単調なやり方よりは、バリエーションがあった方が(目的に応じて選択される必要があります!)、そして何よりも「子どもが楽しく、自分が主役だと思える」方法がもっとも効果的だと思います。

 この新刊では、通常「読み聞かせ」と理解されているものの欧米でやられているやり方を中心に紹介するところからはじまって、「対話読み聞かせ」「考え聞かせ」そして「いっしょ読み」を各章で紹介しています。各章の最後には、それが実際どういうふうに行われているかのビデオも見られるようになっています。(百聞は一見に如かず、ですから。)

 教師、司書、ボランティア、保護者は、それをしていて自分にも学びがあるやり方を模索し続けてください。その方が、確実に聴く側にとっての学びも拡大しますから。

◆ 割引情報

 3冊以上の購入で、1割引き+送料無料になりますので、ご利用ください。
 ご希望の方は、本の名前+冊数、名前、郵便番号+住所、電話番号を 
pro.workshopアットマークgmail.com  にお知らせください。

2018年3月2日金曜日

これであなたも読み聞かせ上手に【その2】~学年末に読み聞かせしたい本と読み聞かせのヒント」

  読み聞かせについての2018年2月2日のRWWW便り★の続編?というか、読み聞かせ【その2】です。今回は、3名の先生に教えてもらったことを紹介します。
(★ 2月2日のRWWW便りは、こちらからどうぞ。http://wwletter.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

1.まず、小学校2年生を教える、本の大好きな都丸先生に、学年末に読み聞かせたい本を訊ねたところ、以下を教えていただきました。

人とのつながりや自分について考える
①赤ちゃんのはなし』マリー・ホール・エッツ 文・絵 坪井郁美 訳 福音館書店
②『おおきくなるっていうことは』 中川ひろたか文 村上康成 絵 童心社
③『あなた』谷川俊太郎 文 長新太 絵 福音館書店
④『ぼく おかあさんのこと・・・』 酒井駒子 文・絵 文溪堂
⑤『大きくなるってこんなこと!』 ルース・クラウス 文 ヘレン・オクセンバリー 絵 山口文生 訳
評論社
⑥『つくる』谷川俊太郎 文 福田岩緒 絵 復刊ドットコム
⑦『ぼくのこと』長田真作 文・絵 方丈社
⑧『ぼくのつばさ』トム・パーシヴァル 文・絵 ひさやま たいち 訳 評論社


世界を広げる
⑨『地球のてっぺんに立つ!エベレスト』スティーブ・ジェンキンズ 文・絵 佐藤美果夢 訳 評論社
⑩『タツノオトシゴ ひっそりくらすなぞの魚』 クリス・バターワース 文 ジョン・ローレンス絵 佐藤美果夢 訳 評論社



ユーモア・笑い
⑪『ハエくん まちにまったひがやってきました』グスティ 文・絵 木坂 涼 訳 フレーベル館
⑫『ぼちぼちいこか』マイク・セイラー 文 ロバート・グロスマン 絵 今江祥智 訳 偕成社
⑬『ピッツァぼうや』ウィリアム・スタイグ 文・絵 木坂 涼 訳 らんか社


美しいもの
⑭『オオカミくんはピアニスト』 石田真理 文・絵 文化出版局
⑮『よあけ』ユリー・シュルヴィッツ 文・絵 瀬田貞二 訳 福音館書店
⑯『ルピナスさん 小さなおばあさんのお話』バーバラ・クーニー 文・絵 掛川恭子 訳 ほるぷ出版



  都丸先生の場合、読み聞かせは、以下に注意して準備するそうです。

◯下読みをします。
   声に出して読むこともあれば黙読の場合もあります。

◯本についてみんなで考えたいところを見つけ、どんな問いかけをするか考えます。
  「この後、どうなると思う?」「最後のページには何が書かれているかな?」
 「これはどんな意味だろう?」「前にこれと似ている本を読んだことないかな?」
 
◯作者について紹介できることを考えます。調べることもあります。

読むときに意識していることは、
◯なるべくゆっくり読むこと(早口になってしまう癖があるため)

◯絵が見やすくなるように本を持つこと。

◯表紙の絵をゆっくり見せること。

◯絵本のタイトルと作者の紹介をすること。(翻訳絵本の場合は、訳者を紹介することもある)

◯複数の登場人物による会話があるときは、声の調子を変えて読むこと。



2。読み聞かせが大好きで、現在、育休中の富田先生にも、読み聞かせの準備や注意点を教えてもらいました。(なお、富田先生の了承を得てブログも紹介します。 http://tommyidearoom.com/ です。学習の多様性に興味のあるかた、必見です!)

◯最初にゆっくりと読んで内容を確認します。
◯時間が足りるかどうかチェック
◯どこで間を取ったらおもしろいか、作戦を立てます。間は、子どもたちが話し合う時間です。
◯間で聞きたいことを考えます。「これからどうなると思う?」とか「どうやって〇〇は解決すると思う?」とか
◯一緒に紹介する本も、準備します。小物とかもあるとおもしろいかも。

*大体、子どもと休日に図書館に行った時に、決めます。季節や学習を重視することが多いかな。


3.最後は中・高で英語を教える吉沢先生からの、読み聞かせのヒントです。

 ・テキストをどう読むかについては、だいたい(2月2日のRWWW便りで)リストアップされている項目と同じです。


・私は、先へ先へと進むところと、立ち止まる箇所とを決めておきます。立ち止まるページでは、次を推測させます。

・聞いている人と、やりとりをすることもあります。
・テキストをどう読むかと並んで大事なことは、声を準備することです。日頃から、舌や口の筋肉を意識的に動かす練習をしておきます。
・事前に読む練習をする時は、幾通りかのやり方で練習しておきます。(1)発音、ストレス、イントネーションを意識して。(2)テンポや間の取り方を意識して。(3)意味やイメージを伝えることを意識して。----といった具合です。
・読み聞かせをする時は、喉をあけて、りきまないこと。
・聞いている人が何人いるかも意識して、聞いている人みんなを包む込むように発声します。


*****


★ そろそろ学年末そして新学期の教室にむけての読み聞かせの本を選んでいきたい時期です。そして上のヒントを意識して、私も読み聞かせ上手になりたいです。