少し前から、今日のRWWW便りは、「GW中に【こどもたちが】できそうなこと」
というテーマで書きたいと思っていました。
しかし、思いついくのは、「旅行や遊びに行くときに作家ノートをもっていく」と
か、「旅行に行く場所について本を読んで知識を得る」等々で、こういう活動を半ば
強制的に押し付けても、プラスよりもマイナスが大きい気がしました。
そんなときに目にとまったのは、中学校レベルの優れた教育者でもあるリンダ・
リーフ氏が、ワークショップ・シリーズの二冊目に書いていた文でした。★
彼女は、飛行機の中で、自分のノートを取り出して書き始めたときの話を紹介して
います。それを見た4歳の男の子ジミーは、興味津々です。
そこでリーフ氏は、「これは、見たり、聞いたりしたこと、自分にとって大切なこ
と、覚えておきたいことを書くノートだ」と説明したあとに、「ジミー君も書いてみ
たい?」と尋ねます。
*****
リーフ氏は、この飛行機の中で自分が行ったことは、自分が教室で行っていることと同じ
だと書いています。つまり「まず自分自身を、書くことと読むことにどっぷり浸から
せること、そしてそれを生徒たちに共有すること」だと記しています。★★
また、「私が教室で何を行うかという選択は、生徒たちが何を行うかということの
指針になるということを、以前よりもずっとはっきりと自覚するようになりました」
とも書いています。
*****
「教師が実際に行っている読み書きを共有すること」と、「自分の実際の生活では
していないことを子どもたちに押し付けること」には、決定的な違いがあると思います。
リンダ・リーフ氏の文を読みつつ、GW中に【子どもができそうな】ミニ・プロ
ジェクトを考える前に、【教師が】できそうなミニ・プロジェクトを考えたいと思い
ました。
ミニ・プロジェクトというと大げさですが、要は忙しい毎日だからこそ、このGW
中に、教師自身が読むこと、書くことに浸る時間を作る、ということです。
私も、自分用のGW中の読み書きのミニ・プロジェクトを考えることにしました。以下
は、現時点で、自分がしてみたいと思っている思いつきです。
○ 私のリーディング・プロジェクトの一つ(?)で、「愛する人との死別」とい
うテーマの本や詩集について、学習者向けの紹介文を書く。
○ これも私のリーディング・プロジェクトの一つ(?)で、気になっている児童
文学の作家についてさらに読む(今、4名ぐらい、気になっていて、もっと読みたいと思
っている作家がいます)。
○ 英語という教科でのRWWWについて学んでいる仲間たちに、おススメ
本の題名(特に読んだことについて話し合うことについて書かれている本)を共有する。
○ 読書ノートにメモしそこなった本を、購入した本のリストを見ながら、簡単に
メモする。
○ 作家ノートについて書いてみたい文があるので、その下書きを始める。
*****
以下は、上記以外にも、こういうのもあるのかな、と考えてみたものです。
(ですから、以下は自分が行おうと考えているものではありません)。
みなさ んもいいミニ・プロジェクトが浮かべば、ぜひコメント欄で共有してください。
○ 入院している友人にお見舞いの手紙を書く
○ 自分の作家ノートを見直して、そこから書きかけの作品を仕上げる
○ 読書ノートのメモを見直し、そこから友人におススメ本リストを送る
○ 図書館に行って30分間、本との楽しい時間を過ごす
○ 普段はなかなか足をのばせない大きな書店に行く
○ 友人にブッククラブの招待状を書く
○ お誕生日や記念日などに贈る本をさがして、その本を選んだ理由などをカードに書く
*****
この週末に、GW中の自分用の読み書きミニ・プロジェクト計画を練って実行し、それを週
明けに子どもたちに共有するのはいかがでしょうか。
出典:
★ ナンシー・アトウエル(Nancie Atwell)氏が編者となっているWorkshop 2: Beyond
the Basal (Heinemann, 1990) は、複数の人が自分の実践などを書いている本です。
リンダ・リーフ (Linda Rief)氏は、上の本の125-132ページに、Apprenticeship: At Four
Or Fourteen という題で書いています。
上で紹介した飛行機の中でのできごとは、125-128 ページに書いてあります。
★★ 「まず自分自身を、書くことと読むことにどっぷり浸からせるこ
と、そしてそれを生徒たちに共有すること」、「私が教室で何を行うかという選択
は、生徒たちが何を行うかということの指針になるということを、以前よりもずっと
はっきりと自覚するようになりました」は、両方とも128ページに出てきます。