「一緒に書く(Shared Writing)」は、クラス全員で書く文章のことを指しています。
出典は、Regie RoutmanのWriting Essentials(書くことの基本)というタイトルの本です。(彼女は読み・書き教育で最も影響力のある人の一人です。)
この方法は、どちらかといえば低学年向きですが、高学年あるいは中・高・大でもテーマやジャンルによっては可能だと思いますので、「面白そう」と思えた方はぜひ試してみてください。そして、結果を教えてください。(数字は、ページ数です)
88 「一緒に書く」レッスンのフレームワーク(枠組み)
・ 書く対象が誰で、なぜ一緒に書くのかをわかるように説明する。
・ 生徒にとって意味のあるテーマ(題材)を設定する。
・ テーマについてのアイディアを出し合う。
・ タイトルを書く。
・ 書き出しの文を提案してもらう。「誰かいいアイディアない?」出てこない場合は、こんなのどうかしら、と提案する。
・ 常に、書きながら、口に出す。
・ 生徒が言ったことは、そのまま書く。(直すのはあとで)
・ 生徒が集中していられるように、できるだけスムースに進める。しかし、10~15分以上は続けない。
たとえば、2~3人からアイディアをもらったら、それらを踏まえて「こう言ったらどうかしら」とまとめて書いていく。(ここまでが下書き)
・ 10~15分「一緒に書」いたら、振り返りをはじめる。言葉や文の構成を考え直す。(要するに、ここから修正)「これって、わかる?」「これを、もっとわかりやすく言うとどうなりますか?」「次にどういえばいいですか?」
・ できるだけ多くの生徒が参加できるように配慮する。
手を挙げない生徒には、教師サイドから名前を呼んでチャンスを与える。
・ 次は何がいいのかを判断するために、常に読み直しながら前に進める。読むときは、その部分を指しながら、生徒たちが教師が読んでいるところと文字が一致できるようにする。
・ と、ここまでは、意味のある、おもしろい文章を書くことに全力を注ぎ込む。両方をいっしょにはやれないので、文章を整えることはあとでする。
・ 校正も声を出しながら行い、文を整えていく。
書くことを恐怖の体験にしないように、この「一緒に書く」体験をたくさんすることで、生徒たちに「創造的に書く楽しさ」を味わってもらう。
91 「一緒に書く」ことを成功させるためのヒント:
・ 意味のある、生徒が関心を示せるテーマ(題材)を選ぶ。
・ 何をどう書くかを考える - 「作家のように考える!」
・ わかりやすいように流れ(構成)を考える。
・ おもしろい、生き生きした言葉を使う。
・ 読み直し、考え直し、書き直す。
・ ぴったりしたタイトルを考える。
・ 一番、適切な方法(手紙、レポート、物語風)で書く。
・ 会話調なども試してみる。
・ 書き出しは、読み手をひきつけるものにする。
・ 言葉の選択にはこだわる。
・ 文章の終わりにもエネルギーを注ぐ。
・ 文法はこれらのことすべてが終わってからチェックする。
・ もう一度読み直して、全体の最終チェックをする。
「一緒に書く」ことは、
・生徒たちが書きたいことを書けるようにするため
・書くことが好きになるようにするため
・自分たちが思っていることや、もっているアイディアを出せるようにするため
の練習。
その意味では、思っていることやアイディアを引き出すための言葉遣いが大切。また、励まし、認める言葉遣いも大切。
2010年5月28日金曜日
2010年5月21日金曜日
聞くことの大切さ
子どもたちは書くことをたくさんもっている作家たちと捉えるのか、それとも教師がテーマを提供しないと書けないと捉えるのかでは、教える際のアプローチが大きく異なることになります。
(同じことは、読む時や話す時にも言えます。子どもたちは自分で本を選べる/選ぶことを含めて読む教育と捉えるのか、それとも子どもたちには「良書」を選ぶ能力がないから大人が提供すると捉えのかや、話し合いは自分たちでできると捉えるのか、それとも教師が話し合いのテーマも、進め方にも介入しないとうまく進められないと捉えるのか、です。)
ライティング・ワークショップ(WW)は、当然、前者の捉え方にのっとって行われています。なんといってもねらいが「自立した書き手」を育てることですから。★
たくさん書くことをもっている作家さんたちに、どうやってそれらを書き出してもらったらいいのかを考えて出てきたのが、5つの要素の①時間の確保(1週間に3時間、毎日15分!)、②選択の提供、③反応/フィードバックの提供、④構造・枠組みの提供(1時間のサイクルと年間を通した作家のサイクル)、⑤コミュニティづくりだったわけです。
●もし、これら以外に必要な要素を見つけた方は、ぜひ教えてください。
しかしそうは言っても、なかなか書けない子は歴然としています。そういう子たちを含めて、「書くことをすでにたくさんもっている作家さんたち」と子どもたちを捉えるとどういうアプローチをとったらいいのでしょうか?
カンファランスです。
それは、カウンセリングでカウンセラーが聞き出すイメージに近いものかもしれません。
答えは、すべて「患者」である作家さんたちがもっていますから、教師にできることは「聞き出す」ことだけです。教えることではありません。
このアプローチだと、教師が話すのは全体の多くて2割ぐらいで、作家さんである子どもたちが話している割合が8割ぐらいになります。教師の役割は、子どもたちがすでにもっている書く題材について知っていることを引き出すことです。それも、作家である本人がピンと来る形で。ピンと来れないと、時間を費やしても無駄になってしまいます。その意味では聞き役の教師にとってピンと来ることは二の次で、あくまでも作家本人にピンと来ることが何よりも大切なわけです。そうでない限り、筆は進みませんから。
WWの創設者のドナルド・グレイヴスは、「言葉の学習で最も大切なことは、聞くことである」と言い切っています。
そのグレイヴスが提案してくれているカンファランスの中で「聞くこと」をブラッシアップする練習法を紹介します(Building a Literate Classroom, by Donald Graves、96ページ)。
・ 毎月1回やってみることを提案しています。
・ 5人分のカンファランスを録音して、教師と子どもの話している時間をだいたいでいいのですが計り、1対10ぐらいになるようにするのが、この練習のねらいです。
・ おそらく最初はそうはいかないでしょうから、2回目に試してみる方法として、以下のような提案もしてくれています。
* 「調子はどう?」と尋ねたら、20秒待ちます。
あるいは、「これからどんなことを書くの?」と尋ねてから、20秒待ちます。
* その答えを聞いたあとは、子どもが教えてくれたことを、教師の言葉で言い直して、
次のカンファランスに移動します。
* 大切なことは、子どもが取り組んでいるテーマに関して子どもに教えてもらうことです。
聞いているとアイディアを膨らませたり、付け足したり、直したりしたくなることもあると思いますが、この練習は「聞くこと」に焦点を当てていますので、それらは無視してください。ただ熱心に聞くだけでは物足りない(従って、子どもたちの学びにつながらない)と思うかもしれませんが、子どもたちはしっかり聞いてもらうという体験をほとんどもっていません。ですから、教師が熱心に聞くだけで(ということは、子どもたちに自分の知っていることを教えてもらうことで)、子どもたちは信じられないように成長していきます。
だまされたと思って、1ヶ月に1回ずつやってみてください。
テープを再生して、子どもにもっと話させるにはどうしたらいいか、自分が話さない方がよかったのはどこか、待ち時間は充分だったかなどをチェックしながら聞いてみてください。得るものがたくさんあるはずです。
私たちは、教師が教えたり、話したりしないと、子どもたちは学べないと思い込んでいる部分があります。確かに、そういう面もあるわけですが...今回の練習をすることで、実は子どもたちにこそ教えてもらうことが、より効果的な教え方であることに気づけます。
★ 「期待は結果をもたらします。」要するに、高い期待をもてば/示せば、高い結果をもたらしてくれる、ということです。それは、子どもたち対象にはもちろん言えますが、自分が研修を受けるときなどにも言えてしまいます。このことを「ピグマリオン効果」と言います。
(同じことは、読む時や話す時にも言えます。子どもたちは自分で本を選べる/選ぶことを含めて読む教育と捉えるのか、それとも子どもたちには「良書」を選ぶ能力がないから大人が提供すると捉えのかや、話し合いは自分たちでできると捉えるのか、それとも教師が話し合いのテーマも、進め方にも介入しないとうまく進められないと捉えるのか、です。)
ライティング・ワークショップ(WW)は、当然、前者の捉え方にのっとって行われています。なんといってもねらいが「自立した書き手」を育てることですから。★
たくさん書くことをもっている作家さんたちに、どうやってそれらを書き出してもらったらいいのかを考えて出てきたのが、5つの要素の①時間の確保(1週間に3時間、毎日15分!)、②選択の提供、③反応/フィードバックの提供、④構造・枠組みの提供(1時間のサイクルと年間を通した作家のサイクル)、⑤コミュニティづくりだったわけです。
●もし、これら以外に必要な要素を見つけた方は、ぜひ教えてください。
しかしそうは言っても、なかなか書けない子は歴然としています。そういう子たちを含めて、「書くことをすでにたくさんもっている作家さんたち」と子どもたちを捉えるとどういうアプローチをとったらいいのでしょうか?
カンファランスです。
それは、カウンセリングでカウンセラーが聞き出すイメージに近いものかもしれません。
答えは、すべて「患者」である作家さんたちがもっていますから、教師にできることは「聞き出す」ことだけです。教えることではありません。
このアプローチだと、教師が話すのは全体の多くて2割ぐらいで、作家さんである子どもたちが話している割合が8割ぐらいになります。教師の役割は、子どもたちがすでにもっている書く題材について知っていることを引き出すことです。それも、作家である本人がピンと来る形で。ピンと来れないと、時間を費やしても無駄になってしまいます。その意味では聞き役の教師にとってピンと来ることは二の次で、あくまでも作家本人にピンと来ることが何よりも大切なわけです。そうでない限り、筆は進みませんから。
WWの創設者のドナルド・グレイヴスは、「言葉の学習で最も大切なことは、聞くことである」と言い切っています。
そのグレイヴスが提案してくれているカンファランスの中で「聞くこと」をブラッシアップする練習法を紹介します(Building a Literate Classroom, by Donald Graves、96ページ)。
・ 毎月1回やってみることを提案しています。
・ 5人分のカンファランスを録音して、教師と子どもの話している時間をだいたいでいいのですが計り、1対10ぐらいになるようにするのが、この練習のねらいです。
・ おそらく最初はそうはいかないでしょうから、2回目に試してみる方法として、以下のような提案もしてくれています。
* 「調子はどう?」と尋ねたら、20秒待ちます。
あるいは、「これからどんなことを書くの?」と尋ねてから、20秒待ちます。
* その答えを聞いたあとは、子どもが教えてくれたことを、教師の言葉で言い直して、
次のカンファランスに移動します。
* 大切なことは、子どもが取り組んでいるテーマに関して子どもに教えてもらうことです。
聞いているとアイディアを膨らませたり、付け足したり、直したりしたくなることもあると思いますが、この練習は「聞くこと」に焦点を当てていますので、それらは無視してください。ただ熱心に聞くだけでは物足りない(従って、子どもたちの学びにつながらない)と思うかもしれませんが、子どもたちはしっかり聞いてもらうという体験をほとんどもっていません。ですから、教師が熱心に聞くだけで(ということは、子どもたちに自分の知っていることを教えてもらうことで)、子どもたちは信じられないように成長していきます。
だまされたと思って、1ヶ月に1回ずつやってみてください。
テープを再生して、子どもにもっと話させるにはどうしたらいいか、自分が話さない方がよかったのはどこか、待ち時間は充分だったかなどをチェックしながら聞いてみてください。得るものがたくさんあるはずです。
私たちは、教師が教えたり、話したりしないと、子どもたちは学べないと思い込んでいる部分があります。確かに、そういう面もあるわけですが...今回の練習をすることで、実は子どもたちにこそ教えてもらうことが、より効果的な教え方であることに気づけます。
★ 「期待は結果をもたらします。」要するに、高い期待をもてば/示せば、高い結果をもたらしてくれる、ということです。それは、子どもたち対象にはもちろん言えますが、自分が研修を受けるときなどにも言えてしまいます。このことを「ピグマリオン効果」と言います。
2010年5月16日日曜日
「違い」が大切なのではなく、「何に向かって教えるのか?」こそが大事!
14日の書き込みに対してメールをいただきました。
「作文とWWの“違い”を浮き立たせることが大切なのですか?」と。
そうじゃありません。
大切なのは、「何に向かって教えるのか?」を意識することです。
別な言葉でいえば、「なぜ学ぶのか? なぜ教えるのか?」です。
それが、「何を、どう学ぶか/教えるか」を決定づけますから。
教科書や指導要領は、「なぜ」が弱いようです。それが、教師の教える質に大きく影響を及ぼし、結果的に子どもたちの学びの質と量を左右していると思います。
★ブログ(メルマガ)への疑問・質問、意見・反論は大歓迎ですので、ぜひお寄せください。
「作文とWWの“違い”を浮き立たせることが大切なのですか?」と。
そうじゃありません。
大切なのは、「何に向かって教えるのか?」を意識することです。
別な言葉でいえば、「なぜ学ぶのか? なぜ教えるのか?」です。
それが、「何を、どう学ぶか/教えるか」を決定づけますから。
教科書や指導要領は、「なぜ」が弱いようです。それが、教師の教える質に大きく影響を及ぼし、結果的に子どもたちの学びの質と量を左右していると思います。
★ブログ(メルマガ)への疑問・質問、意見・反論は大歓迎ですので、ぜひお寄せください。
2010年5月14日金曜日
作文とライティング・ワークショップの違い
K先生(2年生)とH先生(6年生)のクラスでとったアンケートの結果(①)と、ライティング・ワークショップを体験してもらう教員研修の中で、先生たちにグループに分かれてブレーン・ストーミングをしてもらった結果(②)を紹介します。
① 作文をじょうずに書けるようになると、どんないいことがあると思いますか?
●2年生
・うれしい
・やったと思える。
・いっぱいほめてもらえる。
・先生にほめられたり、うれしいから。
・たくさんかくことができる。
・みんなにすごいといってもらえる。
・お父さん、お母さんにほめてもらえる。
・しんぶんにのる。
・手紙がじょうずにかけるようになる。
・いいたいことがじょうずにつたえられる。
●6年生
・楽しい・作文を好きになる。
・友達がたくさんできる。
・友達や家族に見せられる。
・みんなや先生や親などにほめられる。
・みんなに尊敬される。
・みんなに喜んでもらえる。
・みんなに注目されるようになる。
・他人にほめられたり自分を伸ばしたりできる。
・大人になったとき役立つ。
・作文を書くときに役立つ。
・国語の授業で役立つ。
・レポートを書くときに困らない。
・自分の気持ちを上手く表せる。
・伝えたいことを伝えられる。
・人に自分の気持ちが分かりやすく伝わる。
・言葉の使い方が上手になる。
・言葉がすぐに頭から出てくる。
・思考力を高められる。
② 書くことが可能にしてくれることは何か? (教師)
Aグループ
・ 考えをまとめる、整理する
・ 記録として残る
・ 苦しみを対象化できる
・ 「生きる」ってことを助けてくれる
・ 気持ちを伝えることができる
・ 気持ちスッキリ、整理できる
・ コミュニケーションがとれる
Bグループ
・ 繰り返し読める
・ 忘れないようにできる
・ 考えを整理できる
・ 思いを表現できる
・ 漢字-ひらがなで印象を変えられる
・ 遠く離れた人に伝えられる
・ 考える力がつく
・ 意思疎通
・ 読み手の想像にまかせられる
・ 形に残る
・ 長く残せる
・ アピール
Cグループ
・ 記録
・ 伝える
・ 思考の整理
・ 思いの言語化
・ 共感
・ 記憶に残す(日記)
・ 語彙を増やす
・ 表現が増える
・ 感性を育てる
・ 書く→読むへの発展
・ 人に読んでもらえる→認めてもらえる喜び
・ コミュニケーションがうまれる
・ 客観的に自分を見つめる
Dグループ
・ たくさんの人に読んでもらう
・ 語彙が増える
・ 心の整理
・ 満足感
・ 読み返せる
・ 考えを深めることができる
・ 忘れない
・ 空想あそびができる
・ 記録
・ 取捨選択ができる
・ 可能性を拡げていける
Eグループ (リストではなく、ウェブ形式で書き出されていた)
・ 伝える ・ 読む
・ 残す ・ 計画する
・ 漢字を覚える ・ 広がる
・ 手紙 ・ 考えを整理する
・ 目に見える ・ 記憶する
・ 宣伝/PR ・ 旅立つ
・ うれしい ・ スッキリ
・ 共有する ・ 消化
・ すぐわかる ・ 自分を理解
・ 形をかえる ・ 生活/暮らしに密着
①と②で出された項目の違いで、どんなことに気がつかれましたか?
②の先生たちに出してもらったリストは、ライティング・ワークショップを通して得られるもののリストではありません。まだ実際に体験する前に「書くことが可能にしてくれることは何か?」のテーマで、出してもらったリストですから。しかし、「これらのすべてを実現してくれるのが、ライティング・ワークショップです」と説明して、体験に入ってもらいました。
先生たちのリストで、作文が可能にしてくれるものはどのくらいあると思われますか?
もちろん、2つの質問に対するリストは、すべてが出尽くしているわけではありませんから、ぜひ付け加えてください。
私は後者に付け加えたいものとして、
・ 好奇心
・ 興味・関心・こだわり
・ 主体性
・ パワー
・ 勇気
・ 気恥ずかしさ
・ 想像・創造
・ 出会い・人間関係
・ 喜び
・ 振り返り
・ 読むこと(自分が書いたのもですが、書いていないたくさんのものを)
・ 筆に書かせる(考えていなかったことを書き出してくれる/意識していなかったことを表現してくれる) ~ 起承転結や構成をあらかじめ考えて書く作文と違い、考えないで書く部分の大切さ、という意味です。
・ よく見ること
・ よく聞くこと ~ 要するには、書いていないときこそが大事ということ
・ 歩くこと
などが浮かびました。
① 作文をじょうずに書けるようになると、どんないいことがあると思いますか?
●2年生
・うれしい
・やったと思える。
・いっぱいほめてもらえる。
・先生にほめられたり、うれしいから。
・たくさんかくことができる。
・みんなにすごいといってもらえる。
・お父さん、お母さんにほめてもらえる。
・しんぶんにのる。
・手紙がじょうずにかけるようになる。
・いいたいことがじょうずにつたえられる。
●6年生
・楽しい・作文を好きになる。
・友達がたくさんできる。
・友達や家族に見せられる。
・みんなや先生や親などにほめられる。
・みんなに尊敬される。
・みんなに喜んでもらえる。
・みんなに注目されるようになる。
・他人にほめられたり自分を伸ばしたりできる。
・大人になったとき役立つ。
・作文を書くときに役立つ。
・国語の授業で役立つ。
・レポートを書くときに困らない。
・自分の気持ちを上手く表せる。
・伝えたいことを伝えられる。
・人に自分の気持ちが分かりやすく伝わる。
・言葉の使い方が上手になる。
・言葉がすぐに頭から出てくる。
・思考力を高められる。
② 書くことが可能にしてくれることは何か? (教師)
Aグループ
・ 考えをまとめる、整理する
・ 記録として残る
・ 苦しみを対象化できる
・ 「生きる」ってことを助けてくれる
・ 気持ちを伝えることができる
・ 気持ちスッキリ、整理できる
・ コミュニケーションがとれる
Bグループ
・ 繰り返し読める
・ 忘れないようにできる
・ 考えを整理できる
・ 思いを表現できる
・ 漢字-ひらがなで印象を変えられる
・ 遠く離れた人に伝えられる
・ 考える力がつく
・ 意思疎通
・ 読み手の想像にまかせられる
・ 形に残る
・ 長く残せる
・ アピール
Cグループ
・ 記録
・ 伝える
・ 思考の整理
・ 思いの言語化
・ 共感
・ 記憶に残す(日記)
・ 語彙を増やす
・ 表現が増える
・ 感性を育てる
・ 書く→読むへの発展
・ 人に読んでもらえる→認めてもらえる喜び
・ コミュニケーションがうまれる
・ 客観的に自分を見つめる
Dグループ
・ たくさんの人に読んでもらう
・ 語彙が増える
・ 心の整理
・ 満足感
・ 読み返せる
・ 考えを深めることができる
・ 忘れない
・ 空想あそびができる
・ 記録
・ 取捨選択ができる
・ 可能性を拡げていける
Eグループ (リストではなく、ウェブ形式で書き出されていた)
・ 伝える ・ 読む
・ 残す ・ 計画する
・ 漢字を覚える ・ 広がる
・ 手紙 ・ 考えを整理する
・ 目に見える ・ 記憶する
・ 宣伝/PR ・ 旅立つ
・ うれしい ・ スッキリ
・ 共有する ・ 消化
・ すぐわかる ・ 自分を理解
・ 形をかえる ・ 生活/暮らしに密着
①と②で出された項目の違いで、どんなことに気がつかれましたか?
②の先生たちに出してもらったリストは、ライティング・ワークショップを通して得られるもののリストではありません。まだ実際に体験する前に「書くことが可能にしてくれることは何か?」のテーマで、出してもらったリストですから。しかし、「これらのすべてを実現してくれるのが、ライティング・ワークショップです」と説明して、体験に入ってもらいました。
先生たちのリストで、作文が可能にしてくれるものはどのくらいあると思われますか?
もちろん、2つの質問に対するリストは、すべてが出尽くしているわけではありませんから、ぜひ付け加えてください。
私は後者に付け加えたいものとして、
・ 好奇心
・ 興味・関心・こだわり
・ 主体性
・ パワー
・ 勇気
・ 気恥ずかしさ
・ 想像・創造
・ 出会い・人間関係
・ 喜び
・ 振り返り
・ 読むこと(自分が書いたのもですが、書いていないたくさんのものを)
・ 筆に書かせる(考えていなかったことを書き出してくれる/意識していなかったことを表現してくれる) ~ 起承転結や構成をあらかじめ考えて書く作文と違い、考えないで書く部分の大切さ、という意味です。
・ よく見ること
・ よく聞くこと ~ 要するには、書いていないときこそが大事ということ
・ 歩くこと
などが浮かびました。
2010年5月7日金曜日
WWが成功する要因分析
WWを普及するプロジェクト・ワークショップ(『作家の時間』の実践・執筆メンバーが中心)がこのサイトを構想し始めた時から、「定期的な情報の発信」の大切さがあがっていましたが、なかなかスタートできませんでした。他のコーナーが落ち着いてきたので、予定より1ヶ月以上遅れましたが、スタートします。
このブログ=メルマガのコンセプトはWWを実践する際の「お役立ち情報」です。
原則的には、毎週金曜日の書き込み/配信を目指します。
★メルマガの受信をご希望の方は、サイトの「質問を送る」から、「メルマガ希望」と書いて送ってください。
初回は、WWの全体像をつかむためにも、WWが成功する要因分析です。
「作文を書きます」と教師が言うと、すでに小学校高学年以上のこどもたちの多くが「え~!」と拒否反応を示します。
それに対して、ライティング・ワークショップ(=作家の時間、以下WW)の時間の子どもたちは集中しており、熱心に取り組み、楽しんでいます。中には、授業が終わった後の休み時間や給食の待ち時間、さらには作家ノートを家に持ち帰って書いてくる子もいます。
いったい、WWの成功の要因は何でしょうか?
少なくとも以下の5つのポイントが挙げられます。
① 自分の書きたいことが書ける ~ 選択がある、自分で何をどう書くか考え判断する
② 時間が提供される ~ 教師が書くことを教える時間ではなく、子どもたちが「ひたすら書く」時間を一番たくさん提供される。また、1時間、あるいは2時間、場合によっては5時間、10時間でも時間をかけていい。自分のスピードで書ける。
③ 友だちや先生の反応が得られる ~ 完成した作品に対してはもちろんですが、書いている下書きの段階でも、友だちや先生の反応が得られるので、常に良くする力学が働く。「読者意識」も芽生える。「作家の椅子」で発表するのは、みんな好き。
④ 枠組みが明確なので、自分で計画できる ~ 1時間の授業の過ごし方(ミニレッスン→ひたすら書く→共有)と年間を通して使う作家の仕事のサイクル(題材探し→下書き→修正→校正→出版)の2つの枠組みが、子どもたちに自分で計画して動くことを促す。と同時に、この2つの枠組みと③の反応によって、絶えず振り返ることでよりよく学べる。
⑤ (教師も含めて)みんなで「よりよい書き手」になっていくコミュニティがある ~ 共に助け合い、教え合い、学び合い、刺激し合う「作家仲間」として存在している。
これらがそのままWWを実践する際のチェックリストになります。
・ 選択を提供しているか?
・ 時間を提供しているか? ~ WWを開発した人は、「週に3時間以上の時間を避けないなら、やらない方がいい」と言い切りました。それくらい時間は大切です。
・ 子どもたちは、フィードバックが得られているか?
・ 作家の仕事のサイクルを参考にしながら、自分なりの書く手順やテンポを編み出しているか?
・ 「作家仲間」が集うクラスになっているか?
いずれも欠かせない大切な要素です。これらは、「書くとき」だけでなく、「読むとき」も、そして国語だけでなく、すべての教科で、さらには学校だけでなく、すべての学びの場で求められる要素であるように思います。
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原則的には、毎週金曜日の書き込み/配信を目指します。
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初回は、WWの全体像をつかむためにも、WWが成功する要因分析です。
「作文を書きます」と教師が言うと、すでに小学校高学年以上のこどもたちの多くが「え~!」と拒否反応を示します。
それに対して、ライティング・ワークショップ(=作家の時間、以下WW)の時間の子どもたちは集中しており、熱心に取り組み、楽しんでいます。中には、授業が終わった後の休み時間や給食の待ち時間、さらには作家ノートを家に持ち帰って書いてくる子もいます。
いったい、WWの成功の要因は何でしょうか?
少なくとも以下の5つのポイントが挙げられます。
① 自分の書きたいことが書ける ~ 選択がある、自分で何をどう書くか考え判断する
② 時間が提供される ~ 教師が書くことを教える時間ではなく、子どもたちが「ひたすら書く」時間を一番たくさん提供される。また、1時間、あるいは2時間、場合によっては5時間、10時間でも時間をかけていい。自分のスピードで書ける。
③ 友だちや先生の反応が得られる ~ 完成した作品に対してはもちろんですが、書いている下書きの段階でも、友だちや先生の反応が得られるので、常に良くする力学が働く。「読者意識」も芽生える。「作家の椅子」で発表するのは、みんな好き。
④ 枠組みが明確なので、自分で計画できる ~ 1時間の授業の過ごし方(ミニレッスン→ひたすら書く→共有)と年間を通して使う作家の仕事のサイクル(題材探し→下書き→修正→校正→出版)の2つの枠組みが、子どもたちに自分で計画して動くことを促す。と同時に、この2つの枠組みと③の反応によって、絶えず振り返ることでよりよく学べる。
⑤ (教師も含めて)みんなで「よりよい書き手」になっていくコミュニティがある ~ 共に助け合い、教え合い、学び合い、刺激し合う「作家仲間」として存在している。
これらがそのままWWを実践する際のチェックリストになります。
・ 選択を提供しているか?
・ 時間を提供しているか? ~ WWを開発した人は、「週に3時間以上の時間を避けないなら、やらない方がいい」と言い切りました。それくらい時間は大切です。
・ 子どもたちは、フィードバックが得られているか?
・ 作家の仕事のサイクルを参考にしながら、自分なりの書く手順やテンポを編み出しているか?
・ 「作家仲間」が集うクラスになっているか?
いずれも欠かせない大切な要素です。これらは、「書くとき」だけでなく、「読むとき」も、そして国語だけでなく、すべての教科で、さらには学校だけでなく、すべての学びの場で求められる要素であるように思います。